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なぜ奈良に移住したいのか

奈良市での1か月間のお試し移住中、地域の方々とお会いしたり、色んなメディアの取材をお受けしたりする中で最も多く聞かれたこと……それは、「なんで奈良に移住したいの?」でした。

というわけで、今回は特に多くの質問をいただいたこの話題を詳しく書いていきます。

なお、大体が私の個人的な話なので、興味のある人だけご覧いただければ幸いです(^_^;)「移住のヒントになるような情報だけ読みたい!」という方は、がーっとスクロールして3番目の見出しだけチェックしてみてください笑。

なんで移住したいのか

まずは移住の動機から。ずばり、コロナです。

私は大学進学を機に群馬から東京にやってきました。卒業後は都内の編集プロダクションに数年勤め、その後、フリーランスの編集者・ライターになりました。

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フリーランスになった時点で、場所を問わず仕事できる状況ではありました。が、首都圏にはやはり編集・ライティングのお仕事のチャンスは多く、勉強会・交流会といった仕事関係の新たなつながりが生まれるイベントも都内では数多く開催されていました。

そして、コロナ以前の取材や打ち合わせは基本的に対面。オンラインで対応する時もありましたが、あくまで補助的なツールと見なされることが多かったように思います。

首都圏での仕事を続けていくには東京に居続けるのが妥当な状況で、大学や会社に行かなくなった後も、そのまま東京に住み続けていたのでした。

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そんな中、このコロナ騒ぎを経て、対面必須と思われていた仕事の中には「オンラインでもOK」と選択肢が増えたものもありました。仕事関係のイベントもオンライン開催がメジャーになっていき、「これ、必ずしも東京に居なくてもいいのでは……?」と自分に問い直すことに。

東京には友人知人はたくさん居ますし、東京に居なければ得られなかった経験も数多くあり、東京生活にも素敵な部分はいっぱいありました。

でも、今の自分は東京で十分な時間を過ごしきっていて、すでに新たに興味の向いている地があることに、春のコロナ騒動の中でハッと思い至ったのでした。

なんで奈良がいいのか

その「新たに興味の向いている地」こそ、奈良です! 奈良の中でも、特に「飛鳥・奈良時代の歴史」というテーマが、ここ数年、自分の中でアツいのです。

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私は歴史好きで、もともとは古代オリエント、ギリシャ・ローマなど、古代中近東あたりの世界史が好きでした。史学科で学んでいた学生時代はギリシャ・ローマゼミに入っていたり、池袋の古代オリエント博物館で学芸員実習させていただいたりしたくらい。

興味関心の転換期となったのはフリーランスになった頃。「歴史が好きなんです」と話すと、ありがたいことに歴史関係の執筆のお仕事をお声がけいただけるようになっていったのですが、圧倒的に日本史案件が多く、改めて日本史を勉強し直すことに。

すると、飛鳥・奈良時代は日本史の中でもとりわけ世界史と大きくつながる、ダイナミックな歴史・文化をもっていることに、今更ながら気づいたんです……!

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正倉院宝物は言わずもがな、古代オリエントに端を発し、大陸で変化を遂げながら日本に伝わってきたといわれる文様や、古代ギリシャ建築の影響を受けたという柱の様式、平城京にいたペルシャ人の存在……などなど。飛鳥・奈良時代の日本には大陸の歴史とつながる要素が満載です。

小中学生の頃、日本史の授業ではきっと「飛鳥・奈良時代の国際性」の話には触れてくれていたことでしょう。しかし、知識の乏しかった当時の私には響かず。。古代中近東史をはじめとする世界史にどっぷり浸かってから飛鳥・奈良時代を顧みて初めて、大陸文化の香り漂う魅力に気づけたんです。

以来、ここ数年は書籍やSNSなどで奈良情報を追いかけたり、奈良に一人旅したりと関心を深めてきました。

が、「東京に必ずしも居る必要はない」という状況になるに至り、「じゃあ、いま興味のある所に住んでみるって選択肢もアリじゃない?」と、極めて単純なアイデアが頭をよぎり、奈良移住に向けて動き出すことになったのでした……!(たいそうな話じゃなくてすみません(^_^;))

移住の動機話は地域の人とつながるきっかけに

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「なんで移住したいのか」「移住地としてどうしてこの土地を選んだのか」という話題は、移住先で地域の方々と初めてお話する際に、ぴったりなテーマといえるでしょう。

移住者側は、自分がどんな人間なのかおおよそ知ってもらえて、地域の輪の中に入っていきやすくなります。

私も実際、「こんな理由で奈良に住んでみたいと思っているんです」と自己紹介がてら話すと、「この子、何者だろう?」とちょっぴり訝しげだった人も「えっ、そうなのー!?✨」と急激に心の距離が縮まるようなことがよくありました。

一方、移住先の住民は初対面での共通の話題探しに困らなくて済むでしょう。また、移住者から見たその土地の魅力に改めて気づいて、地域愛が深まるかも知れません。

私の場合、滞在していたゲストハウス近隣の住宅街から望む、若草山と東大寺の鴟尾(しび:屋根の先端にある飾りのこと。起源は中国)が見える光景(下の写真)が「奈良の歴史が身近に感じられて素敵すぎる」と常々言っていたのですが。その話がゲストハウスの管理人さん経由で地域のおじいちゃんたちに伝わり、おじいちゃんたちが喜んでくれたそうな。

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おじいちゃんたちにとっては、何十年とこの町に住んでいて、この景色はもはや当たり前。でも、その「当たり前」を「歴史感じる!むっちゃ素敵!」などと熱く語る人が現れると、見慣れた町もちょっと新鮮に見えるのかも。

縁もゆかりもない土地に移住しようとする人は、移住の動機話は話せるようにしておくと良いのではないでしょうか。

もちろん、「ここで起業したいんです!」といった立派な話である必要はないと思います。自分がどんな人間なのか、地域の人にしっかり伝わることの方が肝心でしょう^^

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