抗菌薬の覚え書き

実習時の覚え書き。
正しさの保証なしです。学生の勉強用、中途半端なまとめです。

レジデントマニュアルによくまとまっているので、そちらを参照すること。

抗菌薬(名前が3種類、+カテゴリ名もあり覚えにくいので整理)
ABK(アルベカシン|ハベカシン)
ABPC(アンピシリン|ビクシリン)
AMPC(アモキシシリン|サワシリン)
AZM(アジスロマイシン|ジスロマック)
AZT(アズトレオナム|アザクタム)
CAM(クラリスロマイシン|クラリス, クラリシッド)
CAZ(セフタジジム|モダシン)
CEX(セファレキシン|ケフレックス)
CEZ(セファリゾン|セファメジン)

CFPM(セフェピム|マキシピーム)
CLDM(クリンダマイシン|ダラシン)
CMZ(セフメタゾール|セフメタゾン)
CPFX(シプロフロキサシン|シプロキサン)
CPZ(セフォペラゾン|セフォビット)
CTRX(セフトリアキソン|ロセフィン)
DAP(ダプトマイシン|キュビシン)
LVFX(レボフロキサシン|クラビット)
LZD(リネゾリド|ザイボックス)
MEPM(メロペネム|メロペン)
MINO(ミノサイクリン|ミノマイシン)

SBT/ABPC(スルバクタム・アンピシリン|ユナシンS)
SBT/CPZ(スルバクタム・セフォペラゾン|スルペラゾン)
TAZ/PPIPC(タゾバクタム・ピペラシリン|ゾシン)
VCM(バンコマイシン|バンコマイシン)


ぺニシン、セファロスポリン、カルバペネム

ペニシリン系

SBT/ABPC(スルバクタム・アンピシリン|ユナシンS)
アンピシリン+βラクタマーゼ阻害薬。
嫌気性菌が関与する感染症に用いる(誤嚥性肺炎のアンピシリン耐性株や院内発症のもの)、腹膜炎、骨盤内感染、など。
さらにスペクトラムが広い, 嫌気性菌に有効な抗菌薬としてゾシンがある。

SBT/ABPCの使用例:通常の誤嚥性肺炎。

PIP(ペントシリン)
ペニシリン系でありながら緑膿菌にも有効。
(ペニシリナーゼ産生S. aureusには無効)
TAZ/PIPC(タゾバクタム+ピペラシリン|ゾシン)
・ペニシリナーゼ産生金を含むMSSA,、緑膿菌に有効。

参考:
・TAZ/PIPCの使用には慎重さが求められる。


セファロスポリン(セフェム)系

第一世代セファロスポリンのスペクトラム:
 S. aureus, E. coli, Streptococcus spp(連鎖球菌), K. pneumoniae(肺炎桿菌), S. pneumoniae(肺炎球菌)
代表例:
CEZ(セファリゾン|セファメジン)
MSSAの第一選択であるがMRSAには効かない。
・コアグラーゼ陰性ブドウ球菌では80%が耐性(メチシリン耐性)であり第一選択にならない。同様にペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)もある。

*なお、肺炎球菌、連鎖球菌では第一選択はペニシリンG(PCG)。他にPCGは淋菌、髄膜炎菌、梅毒トレポネーマに有効。

第二世代セファロスポリンのスペクトラム
第一世代+βラクタマーゼ産生H. influenzae
(ただしG+球菌に対しての活性は第一世代>第二世代)
代表例:
好気性菌用と、嫌気性用の抗菌薬に分けて考える。
CMZ(セフメタゾール|セフメタゾン)は嫌気性用。
好気性用のCTM(ハロスポア)は、SBT/ABPC(ユナシンS)と並んでH. influenzaeに対しての第一選択となっている。

第三世代セファロスポリンのスペクトラム
第一世代+第二世代+Citobacter spp,+Bacteroides fragilis, Enterobacter spp, Serratia spp
代表例:
CTRX(セフトリアキソン|ロセフィン)やCTX(セフォタックス)
・ペニシリン耐性肺炎球菌(RPSP)に対する第一選択のひとつ。
・嫌気性菌に対してはCMZやCFXに比べると劣る。

第四世代セファロスポリンのスペクトラム
(耐性の多いG陰性桿菌への切り札。できるだけ温存する)
代表例:
CFPM(セフェピム|マキシピーム)

上記のほか、経口セファロスポリンについても第一~第四世代がある。

モノバクタム
・グラム陰性桿菌(好気性菌)の全般によく効く(例外はある)。
・グラム陽性菌には全く無効。
・ペニシリン、セフェム系にアレルギーがある際に検討される。
代表例:
AZT(アズトレオナム|アザクタム)

カルバペネム系(金庫に鍵をかけて温存)

MEPM(メロペネム|メロペン)、IPM/CS(チエナム)、DRPM, PAPM/BP。
・やっかいな菌交代の原因。
・好中球減少時の発熱などでのみ第一選択となる。


メロペネムの使用例:入院患者の尿路感染、ショック状態であるが培養情報がない際、緑膿菌、ESBL、AmpCをカバーするためにメロペン。

アミノグリコシド系

スペクトラム:
S. aureusu + P. aeruginosa含む幅広いG陰性桿菌
代表例:
SM(ストレプトマイシン)、KM(カナマイシン)、GM(ゲンタシン)、TOB(トブラシン)、AMK、NTL、ISP、ABk、など。

マクロライド、テトラサイクリン、キノロン

マクロライド系

スペクトラム:
G+球菌、Moraxella catarrhalis, Mycoplasma spp., Chlamydophila spp., Legionella spp., Rickettisae, Campylobacter spp
代表例:
EM(エリスロマイシン)、JM(ジョサマイシン)、CAM(クラリシッド/クラリス)、AZM(ジスロマック)
・EM, JM:最も安全な抗菌薬。アレルギーが起きにくい。
・CAM:腸管からの吸収性、長い半減期。
・AZM:白血球に浸透して炎症局所で放出され、血中濃度の10~100倍で作用する。

テトラサイクリン系

スペクトラム:
G+陽性~陰性まで幅広い。MRSA, Moraxella catarrhailis, Mycoplasma spp., Chlamydophila spp. Rickettsiae
代表例
MINO(ミノサイクリン|ミノマイシン)、DOXY(ビブラマイシン)
人獣感染症で第一選択となりうる。
・グリシルサイクリンが第三世代のテトラサイクリンとして分類されることもある(代表例としてTGC(タイガシル)がある。)

キノロン系

スペクトラム:
G陽性~陰性まで幅広い。P. aeruginosa、Mycoplasma pneumoniae, CHlamydophila spp., Legionella spp., 非結核性抗酸菌、結核菌、など。
・緑膿菌に効く唯一の経口薬。
代表例:
LVFX(レボフロキサシン|クラビット)

その他の抗菌薬

環状リポペプチド系
代表例:
DAP(ダプトマイシン|キュビシン)
・細胞壁にイオンチャネルを形成してKを外部に放出させる。
・肺炎には無効(サーファクタントで失活する)

クリンダマイシン

ホスホマイシン

グリコペプチド:
・バンコマイシン、テイコプラニン(タゴシッド)

オキサゾリジノン
・LZD(リネゾリド|ザイボックス):
 MRSA、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム(VRE)に対し抗菌活性がある。

キヌプリスチン/ダルホプリスチン

グロラムフェニコール


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?