今回は女医のキャリア、特に妊娠・出産のベストなタイミングと診療科の選択について考えてみたいと思います。
はじめに
女医のキャリアにおける男性医師との決定的な違いは、妊娠、出産、育児があることです。
子供が欲しい場合、女医は「医学生→研修医→専攻医→専門医」という医師のキャリアのどこかで妊娠、出産、育児をしなければいけません。
おそらく妊娠や出産はキャリアを積んでから、仕事である程度力をつけてからと漠然と考えている方が多いのではないかと思います。
そういう方には以下の投稿が参考になります。
2018年に拡散された「私が医療崩壊のトリガーになる未来」という研修医2年目の女医がキャリアについて書いた投稿です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。妊娠や出産の時期について悩む女医さんの心情が赤裸々に表現されています。ややネガティブですが、マイナー科にすすむ女医さんの心情として当時はかなり話題になりました。
医師という仕事は専門職であるという性質上、今までの経験に積み重ねて新たな知識を学ぶ必要があります。また、人の命に関わる仕事でもあることから、責任が重く、本来ならば途中でキャリアを中断するのは望ましくはありません。
こういった職業的な観点から考えていくことも必要ですが、生物として妊孕性という観点から考えることも忘れてはいけません。
今回は、妊娠、出産、育児をする上で、適切な診療科選び、どのタイミングで出産するのがベストなのかをさまざまな観点から考察していきたいと思います。
妊孕性から考えた出産のタイムリミット
女医も人間である以上、出産する年齢にも限界があります。欲しい子供の人数によって「妊活を始めるべき年齢」の目安がわかる有名なデータがありますので、ご紹介します。
上記表によると、欲しい子供の人数によって、妊活を始めるべき年齢が変わります。なので、まず最終的に自分が何人の子供が欲しいのかを考える必要があるのです。
参考となるデータを紹介します。
2022年の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に生む子供の数)は、1.30です。
夫婦の最終的な平均出生子ども数を意味する完結出生児数は、1.94(2015年)でした。
なので、平均的な夫婦は2人の子供を授かっているということになります。
確かに子供2人というのは少なくもなく、多くもなく丁度良い数だと感じますし、私自身も2人くらいは子供が欲しいと思いますので、妥当な数ではないでしょうか。
そこで子供を2人欲しい場合について、考察をしていきたいと思います。