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『探究学舎のスゴイ授業』問いから生まれる探究心を探って vol.474

本日は対話の先生塾で、読まなくてもいい読書会をやります。

いつも読んでいる本よりかは読みやすく、なおかつ動画もあるためとても簡単に理解ができるかもしれません。

しかし、本の表紙に記載されている

「子どもの好奇心が止まらない!」

「能力よりも興味を育てる探究メソッドのすべて」

とはいったい何なのでしょうか。

そんなものがあるのであれば、学校の先生としては何としてでも手に入れたいもの。

果たしてこの本からそれを読み取れることはできるのでしょうか。

科学史から読み解く

まず、この本を読んで気づいたのは授業がすべてストーリーテリングで展開されているのです。

いきなり元素とはこうでああでと始まるのではなく、「元素って何?」という究極のオープンクエスチョンから、「そもそも地球をつくっている材料って?」という神視点の質問まで出てくる。

そして、地球を構成する材料を考えた科学者たちを紐解きます。

歴史上の科学者の功績を見ていくことで、自然と元素の発見を追体験させられているのです。

テレビや漫画、小説に映画、これらすべてが人気のあるのは、すべてそこに物語があるからで時系列と共に見ていくから面白いのでしょう。

自然と感情移入したり、情景を思い浮かべたりしながら学んでいけるのです。

振れ幅を持たせる問い

この本の中にあることば。

「問い」こそが知識と知識をつなぐ橋、「知りたい!」「なぜ?」という心理、好奇心や探究心こそが、その橋を渡っていく原動力になる。

まさしくと言わざるを得ません。

だからこそ、探究学舎の授業では「問い」がとことん練られているのでしょう。

本の中でもここを見てくださいと言わんばかりに、解きかけの部分が大きく色濃く表記されています。

問いの在り方次第で興味関心を最大まで引き出すこともできれば、逆にその興味関心を最低まで落とし込めることもできてしまうのです。

これが、問いの怖さでありすごさ。

授業設計はこの問いですべて決まると言っても過言ではありません。

入り口は何処に?

探究学舎のゴールは「人生をどう生きるのか?」といった大きな問いに対して向かい合う強さを身に着けてもらうといったことなのかもしれません。

しかし、そんな大きな問いは大人の私たちでも考えられません。

いや、考えるのを自然と避けてしまいます。

実は子どもたちが授業の中でやっているのも同じことなのでしょう。

小さな問いに対して、これくらい考えようよと思ってしまう私たちですが、まだ問いと向き合ってこなかった子どもたちからすると、それはとても大きな壁に見えるのかもしれません。

だから、問いを立て続け、少しの成功体験をくり返して問いに立ち向かう力をつけていく。

時には、一人ではとても向かおうとも思えないかもしれません。

そんなときのために対話があるのです。

1人で学べば当然、行き詰まれば終了です。

しかし、そこに友達があれば急に立ち向かうのが楽しくなるのです。

これが探究学舎のすごさなのでしょう。

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