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『教師の心が折れるとき』現場はまだまだ人足らず vol.637

毎月の未来の対話塾でお話しさせてもらっている読書会。

今月はメンタルヘルスがテーマということで、『教師の心が折れるとき』という著書を選ばせていただきました。

こう言った類の本は自分自身が負のエネルギーをもらいがちなので、なかなか選ばないのですが、初めて読んでみるとまぁ知らないことも意外と多かったです。

今日はこの本を読んでの、教員のメンタルヘルスについて考えます。

全国で5897人

令和3年度の全国の公立学校での精神疾患の先生は、5897人います。

https://www.mext.go.jp/content/20230116-mxt-syoto01-000026693_01.pdf

これは、公立で働く先生200人に一人の比率です。

多いと感じるか少ないと感じるか。

しかし、実際にはこの数値に追加してグレーゾーンの教員もいます。

例えば休職を取れずに一般病休で休まれる方、病院にはかかっていないけど、メンタルヘルスが慢性的に必要な方、さまざまです。

さらには私立学校と裾野を広げれば、その数はおそらく簡単に6000人を超えるでしょう。

それほどまでに精神疾患となってしまう先生が多いのです。

”なりたい”が”行けない”に

いま、メディアでもさんざん取り上げられているように、教員の働き方はブラックであるというのは、ほとんどの人がご存知です。

しかし、そんなブラックな職業でも、夢を抱き理想の教員像を目指して教員になっていく人が毎年います。

そんな若手の教員こそ実は休職になりやすいのです。

これは放っておいていいことなのでしょうか。

今まではずっとなりたかったはずの教員、学校の先生という職業がいつしか、学校にすら行けない、家から出たくないと言った状態になってしまう可能性を秘めているということです。

悲しいかな、このような情報が幅広く知られることでまた、志望者も減っていく可能性すらあります。

現場感覚と支援制度と

実際に行政が組織立ってこう言った精神疾患の方たちの復帰プログラムを支援している場所もあります。

兵庫県なんんかが有名なようです。

しかし、確かに当事者の支援も大事ではあるのですが、意外にも私は現場の手助けが足りていないように感じます。

休職者の抜けた穴を補填するのは、学校で働いている先生たちです。

言い方を選ばずにいうと仕事は全て皺寄せしてくるわけです。

そうなると、皺寄せを受けた教員が今度は精神疾患になってしまったりするかもしれません。

それに、肩代わりしてもらっていると思うと、なかなか職場にも復帰しづらいものがあるのではないでしょうか。

当然、サポート体制も大事ではあるのですが、それ以前に精神疾患者が当たり前のように出てしまっているこの現状を変えないことには何も変わらないんだろうなと感じてしまいました。

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