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『君たちはどう生きるか』不安的な世界の十人として vol.720

今話題のジブリ映画『君たちはどう生きるか』を見てきました。

この映画、宣伝は一切しておらず事前情報はこのポスターのみとなっています。

実際に映画館にもグッズなどはこのポスター意外販売されておらず、まだ見ぬ人は謎に包まれた映画となっていることでしょう。

マイクロメディアが発展した現代、口コミ自体が大きな宣伝材料になるためにこれが新しい広告の打ち方になるのかもしれません。

まぁ、それはさておきこの映画を見ての感想を書いていきます。

名前負けか、、、?

率直な感想を挙げると、この映画正直名前負けをしている感を感じました。

数年前にも一度ブームが到来した著書『君たちはどう生きるか』とどうタイトルなわけで、同然比較対象として見てしまいます。

宮崎駿らしい謎めいた奥深さもこの映画では表現されているのでしょうが、名作『君たちはどう生きるか』と比較してしまうと、そのタイトル通りの問いかけを自分に投げかけるほどには心が揺れ動きませんでした。

なぜでしょう。

本の方では、誰にでも一度は経験があったり見たことがあると言う人生のどこかのピースにはかすっている場面を問いかけられることが多いのですが、この映画はまったくのフィクション。

そこがどこか主人公と一体感や没入感を生むと言うよりかは、一つのストーリーとして見てしまったのかもしれません。

謎や伏線は未回収だが、自分はどう生きるのか

よくわからない(理解ができないと言うよりかは伏線未回収)ところだらけでしたが、

映画のタイトルに投げかけられているのですから、この映画を見て改めて自分に問うてみます。

おそらくこの映画で伝えたかったのは、今生きている人生というのは奇跡的な一瞬であると言うこと、さまざまな可能性を秘めたうちの一つであると言うこと、これから先も安泰ということはなく、常に自分自身や自分の生きる世界と向き合い続けなければならないということ。

そんなことを考えろと私は感じました。

深い絶望や悲壮感、決して本意ではない人間関係の中で関わっていかなければならない状況において、どう生きるのか。

地位や権力を盾に使うな、追い求めるな自分自身を生きろ。

そう問いかけているのでしょう。

私はどう生きるか

さて、映画を見た私が明日からどう生きるのか。

それは全く変わらない1日1日が過ぎ去っていくだけでしょう。

しかし、ふと思い出す場面があるかもしれない。

この世界はその他多くの世界、そして生と死の上での絶妙なバランスの上で成り立っていて、どこにでもあるように見えるけど、かけがえのない唯一無二の世界であるということを。

「君たちはどう生きるのか」はそれぞれに持ち合わせた永遠の課題、テーマです。

最初に比較をしてしまうという風に書いてしまいましたが、誰が誰に問いても問題のないもの。

この映画は宮崎駿が我々に「君たちはどう生きるか」を問うためにあるもの。

では、教員として私は子どもたちに、そしてこれから出会う人々に、そして自分自身に問いかけるときにどう問いかけるのか。

「君たちはどう生きるのか」

この言葉の重みと価値を自分で確認することに気づくための映画なのでしょう。

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