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MovieReview

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映画を見ての感じたことや想ったことなどをまとめています。
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2022年1月の記事一覧

『パラサイト 半地下の家族』生きる世界と場所は決められているのか vol.257

韓国の格差的な社会情勢や地域課題を表現した『パラサイト 半地下の家族』をみました。 広告から意味ありげな表現がたくさんあるこの映画、前半部分と後半部分で全く違うニュアンスを感じる映画でした。 もし、自分が同じ立場に置かれたとき、一体自分はどのような振る舞いをするのでしょうか。 さまざまな観点からこの映画は考えさせられる映画でした。 相容ることのない2つの存在この映画では上流階級と下流階級が織りなすストーリーを描いています。 しかし、そこには絶対に相容れない見えない壁

『消えない罪』愛に生きる vol.255

自分の中で完結していようとも消えない、罪。 それと向き合いながら、なぜ自分が今を生きていこうとするのかと向き合う。 映画『消えない罪』を見ました。 過去に犯してしまった殺人の罪で服役し、20年の刑期を終えて刑務所から出所したルース・スレイター。しかし、罪を償って社会に出たはずの彼女を待ち受けていたのは、過去の罪が許されない世界だった。社会に溶け込むことができずに孤立し、安息を求めて訪れた故郷の地でも厳しい批判にさらされ、行き場をなくしていくルース。そんな彼女が罪を償うこ

『スタンド・バイ・ミー』懐かしき日の友はいつもそばに vol.252

名作『スタンド・バイ・ミー』を見ました。 冒険心とあの幼いころのワクワク感と不安感が共存した不思議な感覚を思いだせる、そんな作品でした。 スタンド・バイ・ミーと聞くと、有名なこの曲を思いだすのではないでしょうか? なんでも、曲を聞いて感動した監督が映画のタイトルも半ば強引にスタンド・バイ・ミーにしたそうです。 私自身、この曲がこの映画の曲だとは知らなかったので、改めて歌詞を見て映画の内容を思いだすと、非常にいろんな情景が浮かんでくるなと思いました。 覚悟と成長この映

『ラ・ラ・ランド』大切にするものは何か vol.245

今更ではありますが、あの有名映画LALALANDを見ました。 前日が『愛がなんだ』の映画界だっただけに、それとは全く逆の純愛ストーリーで心が踊らされました。 このLALALANDが流行っていた時は、気にはなっていたものの、まだ映画を見ることが億劫に感じていたのとミュージカルと聞いて、こりゃ絶対つまらないなと思っていたので、敬遠していました。 しかし、今日初めてこの映画を見てみて、あれだけ騒がれていたのもわかるなというくらい、楽しく引き込まれながら見ることができました。

『愛がなんだ』愛はなかった!? vol.244

以前、感想を書かせてもらいました『愛がなんだ』についての映画会に参加しました。 映画界はまるでケーキの後のコーヒータイムのような感覚です。 映画はついついその見た目で満足してしまいますが、食べることでその味を楽しめます。 さらに、その味をどのように表現しているのかを考えることでさらに深みが増します。 映画はケーキを楽しむようにみて、映画会を通すことでそれら全てを味わった上でのコーヒータイムを楽しめます。 以前映画を見た時は、愛や恋、好きについて、そしてその先にある幸

『tick,tick. . .Boom!』人生全てがかけがえのない宝 vol.236

正月のゆったりとした時間を過ごす中で、映画を見ました。 見た映画は『tick,tick. . .Boom!』 個人的に初めてのミュージカル映画でした。 年齢的にも今の自分の年齢と近いのでとても親近感を持ってみることができました。 夢を追い続けることの焦り主人公のジョナサンは30歳を手前にして、まともな職についておらずミュージカル作家として夢を追い続けていました。 始まりからミュージカル全開で彼の半生を描いているので、最初は時系列がぐちゃぐちゃでわかりませんでしたが、

『ドント・ルック・アップ』を見て vol.235

世紀の大発見をした。 しかし誰も信じてくれないかも知れない。 そして、自分自身も信じがたいもの。 そして、信じたくないもの。 私だったら、大々的には話さずに比較的近くの人たちに、まるで秘め事を話すように少しずつ話していくと思います。 それは、決して勿体ぶっているわけではなく、自信のなさの現れ。 そんな発見をした時、みなさんだったらどのようにするでしょうか? 人は何を持って信じるのか映画の冒頭で発見された地球に半年後に衝突する巨大彗星。 2人は最初、発見者という