晴のち曇、所により大雨
「うわぁ~、大荒れになるな」
ハンドルを持つパパはどこかめんどくさそうに「ためいき」をつく。ボクはなんかパパに悪い気がしてくるが、車のしぶきが跳ね上がるたびに心は一緒に飛び上がる。雨はいよいよ強く、遠くからカミナリが鳴る音も聞こえはじめてきた。
ボクはその音を耳に刻みながら、いつも聞こえてくるあのタイコの音と重ね合わせては、いつの間にか膝を叩いている。するとそのリズムはすぐに、真っ赤に染まったスタジアムの音を呼び起こし、アタマの中では試合開始のホイッスルが聞こえてくる。真っ