見出し画像

CFP 6科目一発合格記 

2004年1月にAFP(FP2級)試験に合格し、その勢いで2004年6月CFP試験に6科目挑戦し、奇跡の一発合格をしました。(1級FP技能検定は2004年9月合格)
これはその時の記憶を思い返しての記録です。


(0) プロローグ 1級FP技能士へのルート

1級FP技能士へ至るルートは現在次の二つがあります。
 ①3級合格→2級合格→AFP研修終了→CFP合格→実務研修→1級実技合格
 ②AFP研修終了→2級合格→CFP合格→実務研修→1級実技合格
2級合格がAFP研修の前か、後かが重要です。
私が受験した2004年当時はFP3級の資格がなく②のルートしかありませんでした。実務研修は必要ありませんでした。
②’AFP研修終了→2級合格→CFP合格→1級実技合格
現在は、1級までの資格が必要なければ①のルートでAFP研修を受けることなく2級FP技能士になることができます。
ところが当時はAFP研修終了が2級受験の必須条件だったのです。

現在のFP試験

このAFP研修が高かったのです。(20万円ほど)
家計のこと、興味はありましたが専業主婦だった私にこの受講料は高値の花でした。

(1)受験 AFPまで

① 受講まで

そのとき、私の地域の生協で「家計相談員を養成するために研修費用を半額補助。残りも有償ボランティアを続けるならそのボランティア費用から控除」というありがたーい企画が持ち上がりました。
それでもお尻が重かった私に生協の担当さんが「やってみたら」と後を押してくれました。

② AFP研修受講

楽しかったですよ。
生協職員さんもふくめて30人ほどのバックグラウンドが違う大人が集まって、毎週日曜日に講義を受けるなんてワクワクします。
学生時代以来ですが、異業種懇談みたいで大人になっての受講も楽しいです。

そう、集まるのは楽しいのです。
名だたる講師を招いての講義はとても楽しいです。
(内容も目からうろこで有意義)
が、課題はシビアです。
その当時話題だった松井秀樹さんになぞらえ、「松井家のライフプラン」を作成するのです、キャッシュフロー表を手書き・手計算で。
今はFP 名人をはじめとして各種ソフトがあります。
当時でもExcelで自動計算はできます。
それを、電卓片手に手計算・手書きで作成していくのです。30年分!

1ヵ所でも間違えたら30年後の値が変わります。
「鬼!」と思いましたが、これを乗り越えたおかげでキャッシュフローの基礎が頭に、手に叩き込まれたと思います。

子どもの「計算ドリル・音読・漢字ドリル」と似ているでしょうか?
繰り返すことでやり方を身につけていきます。

③ AFP受験 そしてCFPへ

2004年1月 AFP試験を受験し、無事合格しました。
生協からの補助をもらうので、合格するまで何度でも受験しなければいけない条件でしたから、受験料を払うのが1回で済んだのは助かりました。

ホッとしたのもつかの間、ここで悪魔のお誘いが(天使の導きだったかも)
「このままCFPを受けようよ」
と、講義で知り合った彼女が私を誘いました。

彼女は「制度が変わらないうちに受けた方が楽じゃない?」と言いました。
確かに、1月試験と次の6月試験は同じ制度で出題される。(当時)
制度は刻々と変わる。
受験した2004年の国民年金の満額は 797,000円(なくな と語呂合わせ)
その前の2003年は 804,200円
その次の2005年は 794,500円(なくよ と語呂合わせ)
ちなみに2022年の満額は 777,800円(・・減っていってますねぇ)
制度、金額が変わればさらに覚えることが増える。
前に覚えたことと混同してしまう。
彼女のいうことも一理ある。
「せっかくだから一緒に勉強する人がいるときにやってみよう」、と
CFPの受験を決めました。
(節目節目でいいことを誘ってくれる人がいるんですよねぇ)

(2)CFP受験 

合格に必要なもの

・お金
・周囲のサポート
・時間と体力
・努力

① お金

せち辛いことですが、受験料を払わなければ受験できません。
CFPの試験科目は6科目。
受験料も6科目分。
当時の受験料は記憶にありませんが、複数受験すると受験料の割引があります。(1科目5,500円 6科目27,500円  以下金額は2023.6月現在のもの)
迷わず6科目受験を選択します。

そしてテキスト代、問題集代
これも6科目分。
テキスト(2,530円 × 6科目)
問題集(770円 × 3年分)
当時は問題集も1科目づつだったので6科目分買いました。
テキストはお金が足りず、3科目だけを買って、残りはAFPテキストと問題集で対応しました。

プラス交通費
CFP試験は各都道府県で行われるものではありません。
受験地は全16か所。
私の市町村はその中に入っていませんねぇ。(田舎ですし)
となれば、交通費、場合によっては宿泊費も必要です。
誘ってくれた彼女と行きは新幹線、帰りは鈍行各駅停車で帰りました。

このお金をどうやってねん出したかって?
実は当時流行っていた毎月分配型の投資信託の分配金でねん出したのです。

資産形成期の人が手を出してはいけないものとして分類される「毎月分配型投資信託」。
ちょうどコツコツ積立していたものが満期になったので、銀行に勧められるがまま投資信託を買いました。
今なら「勧められるままに投資商品を購入するのは気を付けましょうね」とアドバイスするところなのですが、当時は初心者ペーパーFP 。信託報酬や信託財産留保額、販売手数料のことも学習していたし、聞いた覚えはあるのですが、私の頭に響いたのは「毎月もらえる」だけでした。(リスクをとりました)
コツコツ積み立ててきたお金でどさっと一括購入し、購入してから勉強して基準価格の上下に一喜一憂し「損しないかと」ドキドキしながら分配金でテキストを買いました。受験料を払いました。(フランクリン・テンプルトンの投資信託だったと思います)
合格後に売却して何とか損は免れましたがドキドキの数カ月でした。

② 周囲のサポート

私は精神論は嫌いです。
努力が報われると合格という結果が出る、資格試験はそういうものだと割り切っています。そんな私でも、CFP試験に合格するためには(一発合格するためには)周囲のサポートが必要だと考えます。
それは、AFPとCFPの間にはとても大きい壁があるからです。

まず、2023年6/1現在の認定者数を日本FP協会のHPで比べます。
AFP認定者 161,465人  
CFP認定者   25,681人
認定者の数は大きく違いますね。

次に、FP協会の技能検定結果を比べます。(2022年9月実施)
3級FP技能検定試験結果
  学科試験         80.78%
  実技試験         84.44%
2級FP技能検定試験結果
  学科試験         42.16%
  実技試験         56.55%

それに比べ、CFP試験についてはFP協会HPにこのように載っています。

2022年度第2回CFP®資格審査試験を実施しました。今回の試験では11,694名が受験し、全6課目に合格した方は901名で、受験者総数に対する合格者輩出率は7.7%(前回の合格者輩出率は6.8%)となりました。また、全6課目一括の受験者数は154名で、7名(合格率4.5%)が全6課目に見事に合格されました。

日本FP協会HPより

CFP試験は1科目ごとに実施され、1科目ごとに合格を積み重ねて6科目合格すると「CFP試験合格」となります。
1科目ずつコツコツと合格を積み重ねるものだったようです。
「全6課目一括の受験者数は154名」ということで、まず6科目一括で受験しようとするのが無謀。
「合格者7名(合格率4.5%)」ということで、一括受験一発合格というのがいかに無謀だったか思い知ります。(当時はもう少し合格率が高かったかも)
そもそもCFPを受験する人は皆AFPであるわけで、知識がある人が受験してのこの合格率です。(無知だからこそ挑戦できました)

この高い壁を乗り越えるために必要なのが周囲のサポート。
精神的にも物理的にも。
挫けそうになる気持ちを前に向け、勉強のための時間を確保してくれる周りのサポートは欠かせません。
私の場合、受験当日に「もう受験しても受からんから行くのやめる!」と駄々をこねているとまだ小学生だった子どもが「お母さん、そうめん作ってあげるから行っておいで」と送り出してくれたので会場までたどり着けました。
(そうめんの味は忘れたが、慣れない手つきで作ってくれたのを覚えてる)

③ 時間と体力

CFP試験の試験時間は1科目2時間。
試験内容も1問1答のように単純な問題ばかりではない。
じっくりと思考する時間が必要。
1科目ごとに勉強するにしても試験問題を解くのに2時間が必要。
集中して問題を解くための2時間をどこで作るか。

※ ここからはお勧めしない私の例です。

小学生の子ども2人を抱えて、PTAだ、FPのボランティアだ、送り迎えだ、と家事もこなしながらでは集中できる時間を2時間も確保することは日中難しい。
勉強は夜中に回ってしまう。
夜中1時~3時、2時~4時のように子どもを寝かしつけてからになる。
目覚ましなどは家族を起こしてしまうのでかけれない。
「夜中に起きてやるぞ」という気合だけで起きるので細切れの睡眠になる。
これを受験を決めた3月末から6月の試験日まで続ける。
(友人には「顔の形相が変わった」と言われた)
体重も減った。

それでも勉強するためには体力と時間が必要

④ 努力

勉強しなくては、努力しなくては受からないのが資格試験。
ましてや合格率が1桁の難関試験、FPの最高峰。

過去問を解いて・テキストを見返す
過去問を解いて・テキストを見返す
過去問を解いて・テキストを見返す

勉強は基本に忠実に

最初のうちは過去問1年分の半分量を解くのに2時間かかる。
1年分を2時間で解けるようになってから3回通り以上解いたと思う。
(2時間×6科目×3=36時間以上)
資格試験の勉強としては少ない方かもしれないが、まとめての勉強時間の確保が課題。
AFP試験の直後だったので、AFPで学んだことが相当役にたちました。
(宅建は一から始めたので200時間+αかかりました)

そして、CFP合格すると1級FP技能検定実技試験を受験することができ、その合格率は99%(2022年9月実施試験)。
こうして無事にCFP認定者と1級FP技能士になれたわけです。

(3) CFPになってみて

CFPを目指したのは、自分に自信が欲しかったから。
直接のきっかけは、ともにAFPを勉強した彼女に勧められたからだけど、生協の組合員向けのボランティアとはいえ、普通の主婦だった私にFPアドバイスができるのか不安でした。
せめて少しでも知識と自信を持ちたくて、CFP試験に挑戦しました。
奇跡のように6科目一発合格できたから今もCFPをしていますが、もしも1科目でも落ちていたらもう二度と挑戦できなかったかもしれません。
それくらい受験勉強が過酷でした。
もう受験から20年近くたちますが2時間ごとに眠りが浅くなる睡眠障害は続いています。なので、こんな受験方法、勉強方法はお勧めしません。
睡眠を犠牲に勉強してはいけない

資格をとってから紆余曲折あり、FPを仕事にしたのはずっと後です。
それでもあの時CFPを受験し、資格をとっておいたことが励みになりました。
「FPの資格が何になる。資格では仕事にならない」
「CFPをとるまで勉強する必要があるの?」
と悶々とした日々もありました。
今頃になってようやく、FPの役割はこうだ、と言えるものがつかめてきたように思えます。

今、FPを勉強している皆さん。
CFPに向けて苦労をしている皆さん。
頑張ってください。

知識は力になる
勉強は、努力の過程は自信になる

20年近く前の受験生からのエールです。

後日談

・私にCFPを勧めた彼女は3科目出願し1科目合格しました。
私よりずいぶん賢い選択でした。

・2時間の試験を1日に3科目!
高校3年生じゃあるまいし、おばちゃんにそんな体力はない!
2日目の試験の2科目目、体力気力の限界を感じ早々に退出して近くの饅頭屋でもみじ饅頭を食べて英気を養ったのが3科目目の合格につながったと思います。
見極めの大事。もみじ饅頭ありがとう。

・人それぞれ
FPになってアドバイスをする時に自分の事を思い返します。
定番通りに、投資信託に手を出さず、1科目ずつ受験を計画して、中学受験がせまってい子どもに素麺など作らせず、堅実な方法だけをしていたら今の自分はないだろう。
その人にあったやり方がある。(私はたまの冒険が好き)
アドバイスするときに忘れてはいけない事です。

何はともあれ、合格通知が届いたときは「これは何かの間違いか?」と目を見張りました。あのとき決断していてよかった、と思います。


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

109,949件

共感してくださると嬉しいです。宝くじで5億円当たったらカナダに別宅ができますので、ぜひおいでください。犬をお飼いの方は犬オーナー用のマンションも運営する予定なのでご検討ください。