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オリジナル作品

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じぶんでかんがえたおはなしです。
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記事一覧

冬の訪れの中で

冬の寒さが辺りを覆い始めた頃、 私はこの場所にたどり着いた。 致命的なマインドシステムのバグを直す為に必要な リペアパーツやプログラムが手に入ると情報を得たからだ。 何とか生命エネルギーを維持出来てはいるが、 バグのない頃に比べると消耗は激しい。 出来るだけ早くバグを直すか、いっそのこと 新しくマインドシステムを取り換えて 生身の身体へのダメージを減らしたい。 地肌に内蔵されているセンサーも外気の温度を探知して 体温管理システムもフル稼働している。 今日はもうこのく

Black Cloth_異次元の果てに

ここはどこだ 私はいったい、、、、 誰なんだ 気がつくと私は来たこともない異次元の場所にいた。 .................................................. ここは九龍城砦 今もサイバー環境に存在する近未来の九龍城砦だ 少しづつ記憶が戻り ある程度のことは理解しはじめてはきたが 肝心の自分が誰なのか、まったく思い出せない。 自分はいったい誰なんだ? そもそも 私自身 実在している存在なのか? それに はたして私はまだ生きて

とかげさんの晩ごはん

今日は川でサーモンがとれたので どんぐりといっしょに おみそしるにします。

Type_Kanako_サイバー空間からの脱出

「だめだ...このままでは消滅してしまう。」 かな子はもう何週間もそのサイバー空間から出られないでいた。 新しく装備して使い始めていたマインドシステムの致命的なバグで、 かな子のメンタルシステムが深刻なダメージを受けてしまっていた。 もともとハイレベルのパーツとソフトウェアで構成、構築されているので 外部からのかなりのダメージにも耐えうる性能をかな子は備えていた。 しかし内部からのバグによるダメージには正直、 セキュリティシステムも油断していた。 身体の3分の1は機

青髪のお滝

日々 剣術の鍛錬に励む 青髪のお滝は、 江戸にある裕福な庄屋の娘です。 熱心に稽古を重ねているにもかかわらず なかなか強くなれない自分自身に 強い憤りを感じていて、 今日はめずらしく落ち込んでいます。

私には新しいものを生み出す力がある

今日、彼女は詐欺の被害にあい、全財産を失いました。 深い悲しみに包まれていた彼女でしたが、 ふと気がついたのです。 "私には新しいものを生み出す力がある" と 泣いてばかりはいられない。私が家族を救わなければ。 必ず成し遂げてみせる。 彼女はそう決意し 前に進むことにしました。

18歳の開発者_なかなか うまくいかない

New Yorkにある自分の研究所(工房)で、 大型装甲のメカを開発中の彼女。 プロトタイプの組み立ては順調なのですが、 メインシステムの構築が思うようにうまくいかず、 落ち込んでいます。 「少し 休憩しよう。」 そう思い立って、彼女は席を離れます。 大好きな珈琲を飲みながら ゆっくりすれば、 何かいい アイデアが浮かぶかもしれません。

黒の服を身にまとう_Black Cloth

"Black Cloth"を身にまとい、 私はその場所へと足を運びます。 強靭な何か、未知のものを手に入れるために 私はそこへ行かねばなりません。 ですが私はこわいのです。 恐れと恐怖。そして底なしに広がる不安と絶望。 それらの感情が私自身を支配し、そして追い詰めます。 けれど私はありもしない虚構の偶像のために そこで止まる必要はないのです。 すべてのまぼろしを振り払い、 "Black Cloth"を身にまとったこの姿で 私はその未知なるものへの扉を開きます。

自分自身との対話

とおい昔のことを考えていました。 当たり前のように 過ごしていたあの頃は過去のものとなり、 思い描いていた未来は現実の今として 私の中を漂っています。 私はあの頃、しあわせだったのでしょうか?  そもそも しあわせとは何なのでしょう? 過去の自分と対話をし、 自分自身を見つめます。 しかし たいてい浮かぶその記憶は がっかりするようなものばかり。 私はやはり、 しあわせではないのかもしれません。 けれど私は改めて今の自分を見つめます。 過去の自分はしあわせではないと 答

Electronic virus

もう何日もこの街をさまよい歩いている。 この辺り一帯はすでに秩序は崩壊し、 生存者もほとんどいない。 未知の電子ウィルスによって 街にいた人々は感染し 人ではなく 有機体のような生命体に変わってしまった。 その変わり果てた人であった有機体が 街の人々に襲いかかり、 街の人々も感染し次々に有機体化している。 私はさいわいにも感染は免れたが、 まだこの街から脱出できていない。 彼らに有効な対化学兵器を使って 対応しているが、 武器のエネルギーも残り少ない。 どこかのバッ

無題

人として過ごしていたその人は 今もその場所で活動している。 けれどその姿には少し変化が見られる。 人としての生命が失われる前に彼女は 自分自身をそのメインフレームと 融合させる道を選んだ。 今の彼女の生命を維持しているのは コンピューターシステムと無限とも思える 膨大な情報量を持つ、ネットワーク空間だ。 私は月に何度か彼女に会いに行く。 最近の出来事やたわいもないこと、 今の自分のことをしゃべって 彼女に聞いてもらう。 彼女は昔のように答えてくれるが、 あの頃のよう

Black Cloth_人であることの証(あかし)

自分の中に存在する不安や恐れ、もどかしさ、葛藤など 感情というものはとてもやっかいなものです。 ですが、そういうものを 自分の中で感じることができるのは 自分という存在が"まだ人である"という証(あかし) だからなのでしょうか?

Black Cloth_たどり着いたこの街で

夜の夕闇が辺りを覆い隠し包み込む頃、 私はこの街にいた。 辺りはネオンの明かりに彩られている。 無限のような人の流れに押し流されながら この街にたどり着いた私は、 途方に暮れていた。 "わたしはいったい何者なのか?" と このまま ちりのように消え去っても、 この街の人々は気が付かないかもしれない。 気が付かないどころか、そもそも 私の存在すら知らないだろう...... けれど私はちりのように このまま消えてしまうわけにはいかない。 いったい誰のために? 過去

Untitled_5

やれやれ。なかなか 思うようにいかないものだな。