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わたしの見習い期間を支えてくれたベビーシッターというお仕事

オルタナティブスクール教員のieniiruです。いまの学校で働き始めて、そろそろ丸二年が経ちます。

この記事は、好きなこと・やりたいことで食べていくまでの「準備期間」を過ごしている方に向けて、わたしの体験を書いていきます。

勤めているのは、シュタイナー教育をルーツにもつ小さな学校。学校とはいっても、どこか芸事のようなところのある?狭い世界です。

この仕事をはじめるにあたって、三ヶ月のアシスタント期間(無給)を過ごしました。

たった三ヶ月、されど三ヶ月。アシスタントとして働きながら、残りの時間で生計を立てていくのは、経済的・精神的になかなかハードなことでした。一年くらい研修する学校もあるようなので、三ヶ月で済んだのはまだよかったのかもしれません。

(いま思えば、この「三ヶ月」にたどり着くまでの準備期間をもっとうまく過ごす必要がありましたね・・・でも、こんなに早くチャンスがくるとは思っていなかったのです!)

ひとまず今回は、この期間を支えてくれたベビーシッターというお仕事について書いていきます。

なぜベビーシッターか。アルバイトではなく個人事業主として。

アシスタントで働くこと、生計を立てること。これらを両立させるためには、

・フルタイムを捧げられないから短時間で効率よく働きたい
・チャンスがあったらいつでも飛び込めるように、身を軽くしておきたい

という思いが強くありました。

「身を軽く」というのは最低でも何ヶ月は勤続しなくてはいけないとか、週何回はシフトを入れなくてはいけないとか、そういう縛りのないことを指しています。

こんな条件で探している人、雇用主からしてみれば使い勝手が悪すぎですね。

当然、そんなうまい仕事を見つけられるはずもなく、いろいろ検討した結果、個人事業主のベビーシッターという働き方にたどり着きました。

「ベビーシッターをしています」というと、アルバイトを連想される方がとも多いのですが、近年は個人事業主としてマッチングサイトに登録して仕事をするのが主流になっているようです。

これなら、時給やスケジュールを自分で決めることができます。

これまでの経験(シュタイナー園での保育補助、絵画療法など)を活かせて、これからの仕事にもつながっていて。なにもかもちょうどいい!と思いました。

ちなみに、ベビーシッターは保育士や幼稚園教諭などの資格がなくても、必要な審査・研修を受けて、自治体に届出を提出すれば開業することができます。

※子どもの命を預かるお仕事なので、誰でも気楽にできるお仕事としては推奨しません。安全・衛生管理においては、とても高い意識が求められます。また、人のプライベート空間に入り込む難しさもあり、いろいろな状況への対応力が必要です。

個人事業主のベビーシッターをやってみてよかったこと

必要に迫られてたどり着いたこの働き方ですが、実際にやってみると思わぬ収穫がたくさんありました。

一つ目は、フィードバックが直接入ってくることで、人の役に立てた・喜んでもらえたという実感が強く持てることです。

反対に、いい加減なことはできない緊張感があるとも言えます。

この仕組みのおかげで、「もっと喜んでもらえるには?」と振り返る習慣が身についたり、ミスマッチを避けるため、自分の特徴をわかりやすく発信する意識が持てるようにもなりました。

二つ目は、ご依頼の内容やリピート率、フィードバックによって自分の強み・持ち味がわかることです。

いただいた評価の中でよくあるキーワードは

丁寧 / あたたかい/ 安心感 / 細やかな視点

明るい!元気!とかではないんですね〜。

この辺は、自分でもまぁそうだろうなと思うのですが、意外に多かったのが

報告レポートがとても参考になった /  情景が浮かんできてクスッと笑えた

レポートで喜ばれるとは、全くの予想外でした!

それから、

声のトーンが落ち着いていて良い

という声についての評価もちらほら。こういう無意識的なところまで評価につながるのか・・・と身の引き締まる思いがしました。

強みや持ち味を研ぎ澄ませていくうちに

こうやって200件近いお仕事をする中で、感動するほど喜ばれた事例があります。

それは、お母さんのお悩みに対して、シュタイナー教育の考え方から感じたことをお伝えしたときのこと。お母さんの子育て観がガラッと変わる、まるでセッションのような時間でした。

見習い期間はもうとっくに終わっていたのですが、こうやって自分の持ち味を研ぎ澄ませていくことが楽しくて、しばらくはご依頼を受け続けていたのです。

そのうちに、レッスンっぽいご依頼や、オルタナティブ教育について教えてほしいというご依頼も増えていきました。

本業にも慣れ、自分の提供できるものがしっかりと見えてきたので、ベビーシッターのお仕事は2020年で卒業することに決めました。

ベビーシッター卒業後のこれから

まとめると、個人事業主のベビーシッターをやってみて、自分で自分の仕事をつくっていく感覚が学ぶことができました。どんなお仕事にも通じる姿勢を養えたと思います。

シッターは卒業しますが、これからはマッチングサイトに任せていた部分(=ぴったりな人に出会う、人を集める)を自分でできるようになっていこう!と思います。

この記事が、好きなことで食べていくと決めた方へのヒントになっていれば、幸いです。

サポートしていただけたら、毛糸を買って何か編みます☆彡