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小説

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#バレンタイン

ロールキャベツとホットワイン(短編小説)

ロールキャベツとホットワイン(短編小説)

何処かの方角が少し明るい、そしてそれは仕事を終えたのだから西のはずだ、と僕が気付いたのは、雨戸を開けたままのアパートの薄暗がりの中にいたからだった。

君が帰ってくるまでにかなり時間がある、君は最近はやっと見つけた医療系の職場でカルテが電子管理になる変更があるのでその業務に当たらなくてはならないと残業が続いている。

地方ではまだカルテを手書きだったのか、と僕は少し驚いたけれど、それを言うにも、君

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