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「小便省」

「小便省」
全国に電話線を引いたり、通信事業者が携帯電話の基地局を建てるようにに、異次元人の世界では、「小便省」が「小便網」の工事を進めていた。人びとの尿道をまとめて、異次元空間を通じて超巨大「小便小僧」の像に繋げる、尿道の一本化である。

一般的な成人の1日の尿量は1.5Lと言われている。これが一億人だったら1.5億Lである。このおしっこを有効活用しようというのがこの「小便網」の基本理念である。

「小便網」のおかげでトイレに行く必要がないから、頻尿の人は大助かりだ。いくらでも水分をがぶ飲みできるし、尿意を催す前に、小便小僧に移動する。

この超巨大「小便小僧」像は身長100メートルを越えるから落下するおしっこの音もすごい。

ジョボジョボ!!

というものすごい音は国家の威容を示している。小便小僧の前にはいつも七色の虹🌈。

どこかで火事が起こっても消防車🚒は小便小僧と超空間で繋げられ、おしっこが消火活動に使われる。おしっこが人の命を救うのだ。

ところがこの小便小僧の像がおしっこの尿酸による老朽化でついに崩壊。

ピシッとおでこがヒビ割れ、それが連鎖してバラバラに。最後にオチンチンを握った手首がゴロリ。

小便小僧はいわば象徴であり、異次元の通り道は元のままなんだけど、小便小僧の内部に、膨大なおしっこが収められていたため、むき出しになった異次元の出口から全国民のおしっこが、ミラーボールのように四方八方に飛び散る。

首都はおしっこの海だ。

「小便小僧が復旧するまで、水を飲まないでください!飲酒を控えてください」
という臨時の要請が、地方自治体の首長によってなされた。

断水が強行され、水分欠乏による脱水で死者まで出てしまう。

急遽、「小便省」は小便小僧の復旧に加えて、以前から意見もあった「小便少女」像も建てる。

小僧はよくて、少女がダメのは男女差別だという意見が出てきたからだ。

2体あればおしっこの勢いが2分の1だから強度も保たれる。おしっこの音も半減して、虹🌈も小さくなったけど、今では二つの虹🌈🌈になった。

その後、「大便省」が発足し、「大便牛さん」像の計画が持ち上がっていた。草食動物の牛さんなら、像から出てくるのは人糞でも、肉食動物のウンコとちがって肥料という目で見られるからだ。

小便小僧事件のことがあるから、「大便馬さん」像も作るべきかもしれない。

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