#2 素っ裸でいくと素っ裸で返ってくる | 音の建築 -空間にはすでに音がある-
空間、人、モノ…どんな対象にも深い所にエネルギーがあるというお話を前回しました。
空間の場合、空間に入った第一印象でそれが分かります。「こうしてくれ」と言ってくれているようなものなのですが、それを感じ取るには少しコツがいります。今回はそのお話をします。
素っ裸でいくと、素っ裸で返ってくる
「音のプロデュース」の最大のコツがあるとすれば、初対面の時に自分を素っ裸にして、相手の中にあるもの、外に出てくるものを感じること。
「素っ裸」がポイントになります。
空間にはコンセプトや表現、ああしたい、こうしたい等、様々な想いが詰まっています。それらを一旦無しにします。
そうして裸の状況で行くと、スーッと入ってくるものがある。空間のほうも、素っ裸で返してくれるのです。
具体的には、物理的な(物としての)「重心」があるように、「くうき、或いはエネルギーの重心」のようなものです。
建物にも限らず、色々なものをプロデュースする機会があるんだけど、それが一番頼りになります。
第二段階としては、選ばずに、色々な音楽を掛けたりもします。例えば、表参道ヒルズはファッショナブルな音楽がはまりそうだけど、意外と森の音がはまっていたりする。空間がどうすればいいかをを教えてくれます。
どのように素っ裸になるか
既成概念を忘れる
「素っ裸になる」ってどういうことでしょう。
なってみた人にしか分からない…というと乱暴ですが、一つあるのは、思っている以上に、準備する段階で既成概念ができているので、そこで間違わないようにしています。
例えば、事前情報で「なんとなくこういうもんかな」とイメージをしてしまった場合には、必ず忘れるようにします。
そこに至るまでに業務上コミュニケーションは行いますが、それも一旦断ち切る。なので、当日あまり話しかけられると困ったりもします(笑)
自分を出そうとしない
自分を出そうとしてしまうと、ほとんどの場合、その対象の本来のものとぶつかります。
言ってみれば、静かな森に怖いおじさんが入っていった、お花畑にやばい人が座っているような….森や自然の平和を崩してはいけない。そういうことです。
特に、メジャーになると自分が付け加えてドカンとやろうと意気込みやすい。
訓練出来るわけでもなく、テクニカルな難しさでもないですが、赤ちゃんみたいになるって、簡単ではないですよね。
でも、みんな頑張れば出来る可能性があります。
空間のエネルギーを感じてくると…?
お互い素っ裸で感じ取ることが出来てくると、空間と「仲良くなった」と感じます。仲良くなったかどうか、これが分かるのは簡単です。
次回はそんなお話をします。
新レーベル IDEOTO RECORDS が始まりました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?