音の世界地図

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井出 音 研究所が贈る 音・音楽情報メディア | 音による「見えないデザイン」 元祖JR新宿駅・渋谷駅発車ベル / 空間音響プロデュース 表参道ヒルズ、六本木ヒルズ、愛知万博、上海万博、浜名湖花博、立川シネマシティ、銀座資生堂ビル、電通ビル etc...

最近の記事

#2 Max でのプログラミングの基本 | Max サウンドプログラミングの可能性

Maxはヴィジュアルプログラミングの環境だということは前回話しましたが、じゃあどうやってやるの?という基本のところを今回は見ていきます。 プログラミングをする基本の流れ多くの場合、次の4ステップを繰り返していくことで、プログラミングをしていきます。 ①パッチをアンロック状態にする  ↓ ②プログラミングをする  ↓ ③パッチをロック状態にする  ↓ ④数字やUIを動かす アンロック状態/ロック状態はウィンドウ右下のアイコン、またはタイトルバーに表示されています。 箱と

    • #2 意外と大人な音楽?シューマン「子供の情景」 | 音楽おもしろ豆知識

      シューマン「子供の情景/Kinderszenen」op.15 そのタイトルから子ども向けの曲集と思われることが多いですが、子供が弾くために書かれた作品ではなく、後に妻となる恋人のクララを想って書かれた、大人のための作品です。 猛反対された恋愛「子供の情景」は、1838年、シューマンが27歳の時に作曲されました。 当時シューマンは、恩師の娘であり9歳年下の天才ピアニスト、クララと恋人関係でした。 シューマンにとってピアノの師匠でもあったクララの父親フリードリヒ・ヴィークは、シ

      • #2 美メロディとオーボエ | その道45年、井出祐昭の名演紹介

        オーボエでシューマンの曲集やったのは大成功じゃないかと思っています。 オーボエは、ビャーっと鳴るチャルメラ系の音色も多いのですが、このCéline Moinet さんの音色はは柔らかいですよね。 歌っているみたいです。 落ち込んだ時に暗い音楽を聴くと良いという話がありますが、特におすすめです。 私も、やばい時に聴く曲の一つです。 ジェットベーカーという方の曲も同じような時にお勧めです。 死ぬ直前にきくと「まあいいかな」と思えます。 またの機会にお勧めしますね。気になる方

        • #2 世界は「ララ」であやしてきた? 語源の話①-2

          前回、子守歌の英語である"Lullaby"「ララバイ」の語源についてご紹介しました。「ララ」はなだめる、「バイ」は傍にいる。そんな素敵な語源でした。 さて、「ララ」についてもう少し深堀りしてみると、更に面白いことが分かってきました。 あの言語もこの言語も「ララ」は似た意味なかなか他で出会う機会がないlullですが、英語以外にも、近い発音が「なだめる」「寝るために歌う」という意味になっています。 フィンランド語には歌うことを意味する"laulaa<ラウラ>"、ヒリガイノン語で

        #2 Max でのプログラミングの基本 | Max サウンドプログラミングの可能性

          #2 素っ裸でいくと素っ裸で返ってくる | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

          空間、人、モノ…どんな対象にも深い所にエネルギーがあるというお話を前回しました。 空間の場合、空間に入った第一印象でそれが分かります。「こうしてくれ」と言ってくれているようなものなのですが、それを感じ取るには少しコツがいります。今回はそのお話をします。 素っ裸でいくと、素っ裸で返ってくる「音のプロデュース」の最大のコツがあるとすれば、初対面の時に自分を素っ裸にして、相手の中にあるもの、外に出てくるものを感じること。 「素っ裸」がポイントになります。 空間にはコンセプトや表

          #2 素っ裸でいくと素っ裸で返ってくる | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

          #1 Maxとは? | Max サウンドプログラミングの可能性

          このシリーズでは、音楽や映像、アートやイベントなどいろんな分野で活用されているプログラミング環境「Max」を中心に、サウンドプログラミングについて紹介していきたいと思います。 Maxとは?詳細な説明は 公式サイト や wikipedia に譲りますが、 ざっくり言うと、音・音楽や映像を作ったり加工したりするシステムを比較的簡単につくれる、クリエイティブなヴィジュアルプログラミング環境です。 ヴィジュアルプログラミング???いわゆる「プログラミング」と聞いて連想されるような

          #1 Maxとは? | Max サウンドプログラミングの可能性

          #1 ブラームス「子守唄 」に隠された"秘密のメロディ"

          第一回目に取り上げる作品は、ブラームス「子守唄 /Wiegenlied」 op.49-4 シューベルト、モーツァルト(※1) 両氏の子守唄とともに「世界3大子守唄」にも数えられる有名な作品ですが、実はこの曲には、とある「秘密の仕掛け」があります。 ※1:「モーツァルトの子守唄」と呼ばれている作品については、近年は「実はモーツァルトの作品ではなかった」とされています。  Lulla Music 4:ざわざわモンスター  Tr. 11:ブラームス: 子守歌 Op.49-4

          #1 ブラームス「子守唄 」に隠された"秘密のメロディ"

          #1 命がけの迷演 | その道45年、井出祐昭の名演紹介

          はじまりました、名演紹介のシリーズです。 ここでは、井出 祐昭が日々大量に触れる音楽や演奏の中で、「これは」といったものを紹介していきます。 新しい出会いに触れる機会になると思いますので、お楽しみに。 早速、第1回目のご紹介。 最初にしてはアクロバティックなものですが、この人、命掛けています(音楽にではなく)。 でも、この危機に立った時に立たせることによって、普段出せないものを音楽で出すといったことはよくあることです。 そういう意味では、音楽的・芸術的と言えるかもわからない

          #1 命がけの迷演 | その道45年、井出祐昭の名演紹介

          #1 世界は「ララ」であやしてきた? 語源の話①-1

          こもりうたは、英語で"Lullaby"や"Cradle Song"と言います。 後者は直訳すると「ゆりかごの歌」。では、Lullabyはどこからきたのでしょう。その世界を知るには、まずは言葉から。 まずは諸説あるうちの一説についてお話しします。 なだめ、そばにいる第一有力説は中世英語 Lullen + by 比較的新しい辞書によると、Lullabyの語源はこのように説明されています。 中世英語のlullen(ラレン)。英語のlull(ラル)という単語の語源で、「なだめる

          #1 世界は「ララ」であやしてきた? 語源の話①-1

          #1 空間にはすでに音がある | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

          深い所にあるエネルギーを引き出す空間にはすでに音がある。本シリーズのサブタイトルでもあるこの言葉、その意味から解説していきます。 私の仕事は、ある空間、ある人、あるモノを音で表現するという側面があります。その際に上手くいかないパターンがあって、それは何かというと、実は「音を付け加える」という考え方です。これは水と油になることが多いのです。 音のプロデュースなのにどうして?と思われる方もいるかもしれませんが、これが、45年間ずっと同じ考えでやってきたことなのです。 私は、

          #1 空間にはすでに音がある | 音の建築 -空間にはすでに音がある-