IAでしか体験できない学びだらけのカリキュラム
関口 太郎
東京外国語大学国際社会学部国際社会学科 → DTFA
IAの中で最も印象に残っているプログラムは、Mipox社のRefLite(反射布)事業の今後5年の成長戦略を検討するコンサルティングワークです。このワークを挙げた理由としては、「一貫して学生レベルを超えたアウトプットを求められた」ことが大きいなと感じています。
僕たち学生にとってコンサルティングという職業は、B to Bという業態柄実際にどのような業務を行なっているのか全容を理解することはとても難しいです。ましてや、就職活動でコンサルティングファームを志す学生が多い中で、実際に学生時代にクライアント企業からフィーをもらってコンサルティング業務を行なった経験のある学生はほとんどいないのではないでしょうか。
コンサルティングファームの選考過程の一環として、架空の企業をクライアントとした成長戦略を構想する3日間ほどの短期間のインターンが課されることがあります。5、6人のチームが組まれ、数日間見ず知らずの学生同士で頭を悩ませながら協力し、架空のクライアント役をしてくださっている社員の方々に提案を行います。コンサル志望だった就活時代の僕も、数社のコンサルティングファームのインターンを経験しました。しかし、これらのインターンの中で僕はどうしても「選考過程の一環としてのワーク」という先入観を持ってしまっていました。振り返ってみると、「クライアントにとってより良い提案を行う」ことより「いかに社員の方々の目に魅力的な学生として映れるか」という気持ちの方が先行していたように思います。論理的思考力を示すことができているか、チームワークを発揮できているか、「この学生欲しいな、と思ってもらうにはどのような立ち回りをすれば良いだろうか?」にばかり頭のリソースを使っていた気がしています。
しかし、IAのコンサルティングワークは僕のこのような打算的なスタンスを180度変えるきっかけとなりました。
就活のインターンとの違いはいくつかあると思いますが、一つ目の大きな違いは仮想のお題ではなく、「実在する企業のリアルな経営課題に取り組む」ことにあると思います。今回のワークは、クライアントであるMipox社とNDA契約を交わした上で実際の事業が抱える課題を共有いただき、僕たち5期生が成長戦略の構想を行うというものでした。そのため、自ずと「半端な提案はできないという緊張感」とともに、「期待値以上のパフォーマンスをしなければいけないという使命感」が生まれました。これに伴い、アウトプットに求められるクオリティについてもインターンとは全く違う解像度の深さで考えることになりました。Day1からクライアントの社長をはじめ幹部クラスの社員の方々から直接インプットがあり、「想像を超える提案を期待している」と言われ、企業がコンサルタントにフィーを払って依頼をすることの意義を改めて考えながらワークに取り組むのは、就活のインターンでは難しかったように思います。また、クライアントとして企業の経営陣の方々とやり取りをするのは初めての経験だったのですが、「リスクテイク・ヘッジのバランスが取れた意思決定を実行できる人員構成になっている」というのが率直に感じたことです。プロダクトのテクニカルな部分の知識や経験で支える幹部陣と、それをもとに事業における数々の意思決定を行う社長という組み合わせによって会社経営は成り立っているな、と経営陣の方々と壁打ちを行う中で感じました。
次に、「過程ではなく最終アウトプットが全てである」点はコンサルティングに望む姿勢、特にオーナーシップに大きな変化を与えてくれたと思います。先述のように、就活におけるインターンでは最終提案の中身ももちろん重要ではあるが、「どれだけアウトプットに貢献したかをワーク中にアピールすること」が目的になっている側面が強いように感じています。しかし、今回のワークの目的は「選考に受かること」ではなく「クライアントに貢献できる提案を行うこと」。そのためには、「いかにチームメンバーの能力を最大化できるか、先方の期待値を超えるためにどれだけクオリティにこだわれるか」を考え主体的に行動することが最重要事項です。市場調査のためにデスクトップリサーチを超えて実店舗にヒアリングに赴いたり、時には深夜から明け方までリサーチやスライド作成を行い、結果的に最終提案の日まで出来る限りのリソースを割いて提案に臨むことができました。
僕は来月の4月からコンサルティングファームに入社する予定です。コンサルタントになる直前にIA生として過ごせた4ヶ月間は、このnoteでは伝え切れないほど多くの学びと、キャリア形成の指針をもたらしてくれました。
この4ヶ月間で得た学びを活かして、理想とするキャリアを築いていけるように邁進したいと思います。
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