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支配から支援へ。イデアルはどんな道を歩んでホールディングスへと舵を切ったのか?

こんにちは!株式会社イデアル・note担当の小池です。

イデアルは新潟県内に9店舗を経営している飲食企業。それぞれのお店では毎日、さまざまなスタッフがお客様に美味しいお料理を提供しています。

先日、弊社社長の和田が個人note「今後イデアルをイデアルホールディングスにする」と発表しました。

イデアルは今、変革の時を迎えています!

この変革によって、イデアルの経営理念である「Make People Happy」はさらに強く体現されます!

今回は「イデアルからイデアルホールディングスへ」ということで、イデアルの過去の振り返りを込めて、イデアルの創業ストーリーをご紹介します。



「好きなことをやりながら生きたい!」そのために我慢をしていた創業期

イデアルが創業する前、社長の和田はプロのスノーボーダーを目指していました

しかし、ケガをしてプロの道を断念。その後、いろいろな仕事を経験しました。自分に合わず、1日で辞めた仕事もあるそうです。

そんな時に始めたのが、居酒屋「旬魚酒菜 五郎 古町店」でのバイト。

バイト初日に「ここだ!」と思ったそうです。お客様に料理を喜ばれ「美味しかった!」と言われたのが、とてもうれしかったとのこと。

その後、「五郎 古町店」で本格的に働き始め、24歳で店長を任されます

飲食店の経営に本格的に向き合い始めたのは25歳くらいの時。その頃、周りでは若くして飲食店を立ち上げる人がたくさんいたそうです。

ただ、せっかく独立したのに、税金の払い方も分からずに遊んでいる人が多かったとのこと。そんな経営者のお店は当然のようにつぶれていってしまったそうです。

お店をつぶした経営者を見て、「今の楽しさを優先してはいけない」と心に刻みます。

和田には昔から「好きなことをやりながら生きたい!」という目的がありました。

この目的を達するためには、20歳や30歳の時に遊んではいけないな、と考えます。そして、若いながら飲食店の仕事に真摯に向き合っていきました。

そんな真摯な姿勢は、お店の経営の工夫にも表れていきます

スーパーの見切り品のように時間帯でお料理の価格を変えたり、あまった鮮魚をお客様にサービスで大盛りにしたりしていました。

これはサービスという意味もありますが、「商品を価値ある内に売り切る」という商売の鉄則に基づいたものです。

お店側は新鮮な食材を無駄なくお客様に提供できる。お客様は喜ぶし、追加でドリンクなどを頼んでくれる。まさに「Win-Win(両者が利益を得られる)の関係」です。

結果、お客様からは「五郎はいつ来ても魚の鮮度がいいね」「大将のサービスが最高によい」とお褒めの言葉をいただけるように。

良い口コミもどんどん増え、宣伝していないのに「五郎 古町店」は大繁盛していきました。


誇りを持って働いていた飲食店。しかし、ずっと労働環境が疑問だった

お店の大繁盛により、順風満帆かと思われたイデアルの創業前。

しかし、和田はずっと飲食店の労働環境に疑問を持っていたそうです

24歳で「古町 五郎店」の店長になりましたが、自分の給料の上がり方もわかりませんでした

好きで働いていたものの、どうしても他の業種より労働時間が長くなってしまったそうです。

他のスタッフのためにも、どうやったら労働時間が減らせるか?そこを改善すればこの業界はもっと伸びるのではないか?と、いつも考えていました。

その頃は30歳になったら「五郎 古町店」を卒業するつもりでした。しかし、社長から「お前が抜けた後の代わりがいないから、お店を引き継がないか?」という打診を受けます。

悩みましたが、辞めた後輩がいる一方、信頼してついてきているスタッフがいるのも事実。「五郎 古町店」を引き継ぐ決意をします。

「五郎 古町店」を引き継ぐことで独立したし、お店の方向転換を図り、良い食材を安い値段で提供する姿勢をより強めていきます

その結果、お店はさらに大繁盛!独立したことで、思った以上の成功を収めました。

しかし、ここで和田はふと考えました。

「自分は独立し成功して幸せになった。でも、スタッフが幸せになれるだけの環境は整っているのか?」と。

社長は自分が苦労して作ったお店だから、その利益などは自分通りにしたい。そう考えるのは自然です。

しかし、「自分が給与も上がらず苦労したから、スタッフにも苦労させたい」「自分が長時間働いたから、スタッフも長時間働かせたい」は違うと思いました。

それよりも、「働く時間は短くするから、今よりも最高の笑顔をお客様に見せてよ!」だとどうだろうか、と考えます。

自分だけでなく周りも幸せにしなくてはいけない。そういう強い想いを持つようになります。

そして、その想いを叶えるためにイデアルを立ち上げるに至ったのでした。


イデアルのお店誕生にもたくさんのストーリーが!スタッフの意見を取り入れてできたお店も

イデアルはお店を増やし続けます。「五郎 古町店」のような居酒屋だけでなく、スペイン料理からカフェまでさまざまな業態のお店を作っていきました。

イデアルがいろいろなお店を作ったのには、意外な理由があります!

まずは「旬魚酒菜 五郎 万代店」。

先ほどお話した通り、サービスの工夫で大繁盛した「五郎 古町店」ですが、予約の取れないお店になります。さらにその噂が広がった結果、ありがたいことに和田と働きたいという人が殺到

ですが、「五郎 古町店」では受け入れるのが難しく、新しいお店を出すことにします。それが「五郎 万代店」です。

「五郎 万代店」の次は「越後一会 十郎」をオープン。

「十郎」は働いているスタッフが「もうワンランク上のメニューを作ってみたい!」と言い始めたのがきっかけでした。「五郎 古町店」「五郎 万代店」は2店舗とも大衆的なお料理が中心でしたが、「十郎」は創作和食と新潟地酒を中心にご提供しています。

こうして和食のお店を2店舗続けて作った和田ですが、その頃、和食とは違うお店をやりたくなっていました。

そこでお客様の中に牡蠣が好きな方が多いのに注目。実際、「五郎 古町店」や「五郎 万代店」でも「牡蠣のしゃぶしゃぶ」が大ヒットしていました。

当時、新潟にオイスターバー(生牡蠣をメイン料理として提供するバー)がなく、「だったら、オイスターバーを作ろう!」と考えて誕生したのが「Spanish&Oyster マリスコ」です。

ちなみにこの「マリスコ」がオープンした2012年、小池もイデアルに入社!10年間は「マリスコ」の店舗スタッフとして働いていました。
※今は夏の間、トップ写真のようにミズベリング新潟の「 PIQNIQ(ピックニック)」でお手伝いをしています

「マリスコ」を作った次は、「魚介じゃなくて肉をやりたいよね」と思います。そして、誕生したのが「焼NIQ」。

そして、「カフェをやってみたい!」という女性スタッフの要望で「マテリアルカフェ」を作ります。

こうやって、スタッフの意見や興味があるものを考えていき、イデアルは店舗を増やしていきました。

今では居酒屋からカフェまで9店舗の飲食店を経営するまでに成長しました。

ビジネスとして成功したいなら、五郎のような居酒屋の支店をいくつも作った方がやりやすいでしょう。同じような店舗を作り、料理も同じようなメニューを提供すれば、コスパは最小限で済みます。

でも、そうはしませんでした。あくまでスタッフや自分のやりたいことを取り入れることで、イデアルを大きくしていったのです。


失敗してもいいから挑戦させる。これが成功の元?

おかげさまでイデアルの店舗はどこも大繁盛!多くのお客様に親しまれています。そして、たくさんのスタッフがイデアルとイデアルのお店を慕ってくれています。

イデアルがここまでお客様に親しまれ、スタッフに慕われてきたのは、「失敗してもいいから挑戦させる」ことを徹底していたからかもしれません。

和田はスタッフに対して熱心に仕事を教えます。しかし、ある程度仕事ができるようになったらお店を任せ、失敗した時にはしっかりフォローするスタンスを取ってきました。だからこそスタッフは成長できたのではないかと思っています。

「失敗してもいいから挑戦させる。失敗したらしっかりフォローする」ことを徹底してきたのには、自身に苦い経験があったからです。

昔から日本には「仕事は見て覚えろ」なんて古い考え方がありますよね。和田は全部見よう見まねで仕事を覚えていったそうです。先代の社長もそういう考えの方だったのかもしれません。
もちろん、見て覚えることにもたくさんの利点があります。観察眼が大きく磨かれたり、言葉やレシピではなく味や感覚で料理を覚えていったりできる良さがあるでしょう。

しかし、見て覚えるにはかなりの時間がかかり、効率的とは言えません。

和田は20代の頃、五郎が湯沢や大宮などに出店した時、立ち上げに行ったことがあります。その頃は「五郎 古町店」に入って1.2年。見て覚えることをしていたため、まだまだ基礎が身についていなかったそうです。

新しく五郎に入った職人さんたちに「こんなことも知らないのか?」と言われ、恥ずかしい思いをすることもありました。

そんな恥ずかしい思いをスタッフにはさせたくはない。そうならないためにも、まずは失敗してもよいからどんどん自分の目の前で挑戦させるのが大切だ。そう考えるようになっていったそうです。


支配ではなく支援をやりたい。これからもイデアルは進化し続けていく

たくさんのお客様に親しまれ、スタッフに慕われてきたイデアル。なぜそんなイデアルをあえて「イデアルホールディングス」へ移行させようとしたのか。

今回、和田がイデアルホールディングスへの移行を決めた理由の一つに「支配ではなく支援をやりたい」という気持ちがあったからです。

例えば、何かひとつ指示をするにも「これはするな!」と支配して命令するのか。それとも「なぜダメなのか?」の理由をしっかり伝えて「もし自分だったらどうする?」と問いかけるのか。前者は命令ですが、後者は相手が選択したことを支援しています。二つは全然違いますよね。

もちろん、食中毒などお客様に迷惑がかかることは選択ではなく指示をしますが、それも理由をきちんと説明することが大切。

支援の方は相手とコミュニケーションを取っています。しかし、支配はコミュニケーションではありません

和田がやりたいのは、「自分だったらどうする?」と相手に選ばせる支援の方です。

お店でも、コミュニケーションが取れているお店はうまくいっています。やっぱり、店長がしっかり現場と向き合っているお店はうまくいっていますね。

今回、この「支援」をしたいという想いがあり、イデアルをイデアルホールディングスにする決断をしました

イデアルホールディングスが支援するお店は、自分たちのやりたいことを自分たちで選択できます。「こうしたい」「これをやってみたい」ということにどんどん挑戦できます

そうした挑戦を繰り返し、お店とスタッフがどんどん成長し、それがお店の活性化になり、お客様や地元に愛されるお店になることに繋がっていきます

そして、イデアルの経営理念である「Make People Happy」な、お店になっていくでしょう

7月からは、「古町五郎」「万代五郎」「十郎」「マリスコ」「焼NIQ」の5店舗が独立します。

他のお店もスタッフの成長具合などを見ながら、独立の準備をしていく予定です。

今後もイデアルホールディングスは、経営理念である「Make People Happy」なお店を増やしていくために、進化し続けます


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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

今後もイデアルに関することをご紹介する予定です。ぜひチェックいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。


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