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[ブロードウェイ感想] CHICAGO

概要

 舞台はそのままシカゴ。実話が元ネタという、殺人を犯した女性2人がメディアと弁護士のビジネスの食い物にされながらスポットライトを求めて生き抜いていく、という辛めのコメディタッチでテンポの良いストーリー。シンプルだけれども凝った構造の舞台、黒のミニマムな衣装、終始シニカルな音楽とダンス、人間の身体だけでこれだけの表現ができるのかという感動を覚えました。なんとなく音楽とストーリーの動かし方にHadestownのルーツを感じる。何より振付がカギだな、という印象は間違ってなかったようで、ボブ・フォッシーの名前を覚えました。監督作品の映画として「スイート・チャリティー」「キャバレー」など等あるそう、観なくては。

好きなところ

  • カラフルな衣装より小道具より語るダンス。ダンスを見て鳥肌が立つ経験を久しぶりにできた。

  • オーケストラピットならぬバンドメンバー入りの金縁取りの箱が舞台の真ん中にあるセット。演者の出入りもある、指揮者も参加する「舞台」の境界の曖昧さの表現。

  • 裁判のシーンで降りてきた電球の下から照らす光がカーテンとなり疑似舞台を構成する演出

  • 犯罪、キャバレー、禁酒法時代、メディア、金儲けの弁護、全てがどこか非日常なようで現実で、というシニカルなストーリーとその描き方、主人公の振り切ったカッコよさ

  • 羽に囲まれる弁護士の登場・退場ソング

これから観劇する方へ

  • ややケチって3階席の真ん中後列のチケット(オンライン手数料込$104)で観ましたが、満足でした。舞台の縦横、端から端まで基本常に演者がおり、オケピット?バンドエリア?の枠の四角がとてつもなくかっこいい、という点で、ぜひ中央エリア、全体が視界に入るところが良いのかなと。とはいえ、梯子の上でのパフォーマンスとかバンドエリアの中からの出入りなどは1階で観るとまた違うんだろうな。

  • 英語分からなくても作品のユニークさ・すごさ・面白さは十分味わえるものがある。とはいえ、黒とゴールドに色彩が統一されていることで視覚の刺激が少なめ、歌が多い上にバンドと同じ場所で声が入りにくいところがある、かつ、英語がある程度分かるにしてもセリフは超絶早口で聞き取り難度は高めゆえエネルギーがいる、ということで、土日ならマチネ、平日ならしっかり休息をとってからが良さそうです。

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