小説 俺は電車が好きなんだ
俺は電車が好きなんだ。
知り合いとこんなやり取りになった。
「俺は電車が好きなんだけど、お前はどうなんだ?」
「あまり知識はないです。」
「なんだと。もっと電車に興味を持てよ。」
「じゃあ、今日はなんの電車に乗ってきたんですか?」
「今日は歩いてきたから、乗ってねーよ。」
「じゃあ、最後に乗った電車はなんですか?」
「覚えてねーよ。」
「じゃあ、好きな電車はなんですか?」
「え?」
「なんですぐに答えられないんですか?」
「え?」
「電車好きじゃないですよね?」
「え?」
「電車が好きって言うことで、趣味があると思われたかっただけですよね?」
「ちきしょう。」
こんなことはない。
実際は、毎日のように電車に乗り、詳しくは答えられないまでも、何の電車に乗ったのかを覚えている。
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