小説 俺はおもしろいんだ

俺は自分のことをおもしろいと思ってるんだけど、不本意だが、そう簡単に周りは認めないんだよ。

知り合いとこんなやり取りになった。

「おい、このやろう。俺はおもしろいだろ?」

「おもしろくないです。」

「なんだと!このやろう!どこがおもしろくないんだ?」

「話す内容、話し方などです。」

「なんだと!いつもおもしろい話をしてるじゃねーかよ。」

「誰も笑ってませんよね?」

「笑ってないけど、俺はおもしろいと思ってしゃべってるんだから、おもしろいだろ、このやろう!」

「あなたの思うおもしろいことが、あなた以外の人間全員がつまらないと思ってることなんですよ。」

「言いやがったな、このやろう。表へ出ろ!」

知り合いは黙って去っていった。


俺はおもしろいはずなのに、こんなやり取りになって、本当に悔しい。

誰もがわからないおもしろいことが、おもしろくないことなのだとしたら、俺は全くおもしろくないのだ。


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