【インタビュー】新潟のヘルスケアプロジェクトに関わる想い~日本電気株式会社(NEC) 神原氏、斎藤氏~
現在、にいがたヘルスケアアカデミーでは、「ヘルスケアICT立県実現プロジェクト」に携わっているコンソーシアム企業へのインタビューをシリーズ企画としてお届けしています!
今回は、ヘルスケアICT立県実現プロジェクトの救急医療分野において、救急AIチャットボットのエンジン部分に携わっている日本電気株式会社(NEC)神原氏、斎藤氏にお話を伺いました。斎藤氏は、4月から開講した「にいがたヘルスケアアカデミー」のアカデミー生としても、ご参加いただいております。
お二人がこの業界に入ったきっかけや、新潟×ヘルスケア×ICTへの取り組み、今後に思い描く “新潟の医療課題” への想いを探ります。
神原 武 氏(日本電気株式会社- 2008年4月入社:医療ソリューション事業部) 出身:関西大学 経済学部
斎藤 健一 氏(日本電気株式会社- 2009年1月入社:NEC新潟支店)
出身:早稲田大学 スポーツ科学部 医科学科
ラグビーの五郎丸と大学は同期です!
日本電気株式会社(NEC)との出会い
ーー斎藤さんと神原さんが、現在の仕事に就かれた(医療に携わる業界に入った)きっかけを教えてください。
斉藤さん:僕は中学生の頃から理学療法士を通して医療業界に興味を持つようになり、大学を卒業してはじめは医療機器のメーカーに入社しました。ですが、働く中で違和感を感じるようになり、当時の彼女(現在の奥様)が一生懸命調べてくれてNECに応募しました。会社の求人広告から応募する方は少ないので、面接の時は珍しがられましたね。
神原さん:大学時代にいくつか行ったOB訪問の中で、ここの会社(NEC)の先輩に一番お世話になったからです。部署は、もともと医療を志望していたわけではないのですが、ご縁がありこちらに配属されました。現在の業務は、住民のサービスに直結する仕事なので、やりがいを持って進められているのかと思います。
ーー現在関わっている、ヘルスケアICT立県実現プロジェクトでの業務内容について教えてください。
斎藤さん:NECとしては救急AIチャットボットのエンジンの仕組みを提供しています。そのエンジン部分は、埼玉県で既にリリースされているものを新潟県でも構築しています。埼玉県で開発に携わったのが神原さんです。
神原さん:現在、私は埼玉県の大宮で勤務しています。そこでは、ヘルスケアICT立県実現プロジェクトのような地域のデジタルヘルスケアを支援するような立場で、技術支援や製品支援を行っています。もともとAI救急チャットボットを埼玉県で構築していたので、今回のプロジェクトでも支援させて頂いています。
――これまでのご経験がどのようにヘルスケアICT立県実現プロジェクトやにいがたヘルスケアアカデミー、そして現在の仕事等に活きてるか教えてください。
神原さん:社会人になってからはずっと医療分野に携わっています。新規のお客様のところに行ったり、新しい領域への提案をしたりする中で、様々な関係者との調整が必要でした。現在の行政・医師会・学会などとの調整は、今までの経験が活きています。AI救急チャットボットでは、様々な立場の方の意見を調整するのが大変でしたが、学会の方とも協力しながら、皆さんが納得して合意するところを決めていきました。
様々な方がいる中で調整するときは、相手の価値観を把握する事やお客様の価値観・発言の背景を考えています。そして、あまり自分の感情は出さないようにもしています。一歩引いたところから自分を客観的に見て行動するのが大切かなと思います。嫁との調整も同じで難しいですね(笑)
斉藤さん:僕は学生時代を首都圏で過ごしたのですが、新潟から出て数年過ごすと、やっぱり新潟っていいなって思いました。去年、社内の人事希望を新潟にして、ご縁があり新潟に戻ってきました。新潟をよりよくしたい!という思いがあったので非常に嬉しかったです。そして、ヘルスケアICT立県実現プロジェクトに参加し、実際に住民の皆さまの役に立てる機会をいただけたことに感謝しています。
社会人になってラグビーを続けていたのですが、子どもが産まれてからは行くのが難しくなっていました。この春から参加したにいがたヘルスケアアカデミーでは、再び仕事や家族以外でのコミュニティが広がっていき、非常に刺激を受けました。
ーーラグビーやコユルトなどのサードプレイスコミュニティは、斎藤さんにとって、どんな影響がありましたか?
斉藤さん:ラグビーの時もそうでしたが、会社の人とは違う情報や価値観、刺激をもらえます。ラグビーの時は主務をしていたので、会社・仕事でも活かせるスキルを学べました。
コユルトでは、いろんな職種の人がいるため、様々な視点から医療のことを学べるのでとても面白いです。いろんな視点で物事を見ることができたり、今まで知らなかった様々なことを勉強でき、仕事にも直結する部分が沢山ありました。
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県外から見た新潟の医療課題
――現在、ヘルスケアICT立県実現プロジェクトやアカデミー生としてにいがたヘルスケアアカデミーにご参加いただく中で、新潟の医療課題についてどんな印象を持たれましたか?
神原さん:若い人が県外へ出ていくのが課題なのかなと思います。自分自身は田舎で育ってきたので、高校を出たら都会に出たいという思いがあり関西の大学へ進学しました。もしも僕が新潟で生まれて育っていたら都市部に行かなかったかもしれないですね。それくらい、新潟は魅力的だと思います。
斉藤さん:新潟県の高齢化がすごく進んでいるのを肌で感じています。特に新潟市外は進んでいますね。この前、県内の病院に行った時に高齢化が進んでいることを実感しました。僕自身が歳をとっても、病院へのアクセシビリティを上げたい、便利な新潟にしたいなと思いました。
――斎藤さんは首都圏から新潟に戻られた時に、首都圏と新潟ではどのような違いを感じましたか?
斉藤さん:県外に出て改めて思ったのは、新潟は食が美味しいですね。枝豆、トマト、スイカ、メロン、白菜、魚、ありとあらゆるものが美味しいです。気候は、冬は厳しいけど夏は過ごしやすいですね。車ですぐに海に行けるのも良いですね!
――今回、新潟の医療課題解決に向けた取り組みをしている中で、今後の新潟のヘルスケアの未来についての想いを教えてください。
斎藤さん:医療課題かどうかわからないですが、若者はみんな都会にいくんじゃないかな。10年後はどうなっているのだろう。もし子どもが都会へ行っても奥さんと二人で子どもに心配をかけずに、老後を安心して暮らせるようにしたいなと考えています。健康寿命を皆が伸ばせるように、今後動いていきたいですね。
神原さん:ヘルスケアICT立県実現プロジェクトは、新潟県の医療課題解決のための取り組みですが、人材育成まで立ち上げている課題解決型のプロジェクトは全国を見てもあまりないと思います。このような取り組みを行っている新潟県のヘルスケアの未来に期待しています。
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皆さんへのメッセージ
――新潟のヘルスケアを盛り上げたいと熱い思いを持って活動している方々に向けて、メッセージがあればお願いします。
神原さん:仕事でもそうですが、自ら行動して自ら課題を見つけて、いろんな人と繋がって解決していく過程は、とてもやりがいを感じる部分だと思います。実際それがどんな結果になるかわからないけど、自主的に動いた過程や、人との繋がりが財産になると思います。そういった素晴らしい経験を大切にしてもらいたいです。ヘルスケアを一緒に盛り上げていきましょう!
斎藤さん:私自身アカデミー生として活動していて、様々な職種や年齢の方が、それぞれ違う視点で課題を感じていて、解決したいと熱い思いを持っているのが刺激になっています。個人的には、学生と接する機会が面白かったですね。医学部生や医師と話をすると改めて賢い、面白いと良い刺激をもらっています。とても良い機会を与えてもらって良かったと思いますね。ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
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本記事では、日本電気株式会社(NEC)の神原氏、斎藤氏より、これまでの歩みや、現在の取り組み、そして、新潟のヘルスケア課題に取り組む方々へ向けた熱いメッセージをご紹介しました。今後もヘルスケアICT立県実現プロジェクトをよろしくお願い致します!
コンソーシアム企業へのインタビュー企画はまだまだ続きます!次回も乞うご期待!!
<ヘルスケアICT立県実現プロジェクトについて>
新潟の地域医療課題をヘルスケアICTの力で解決すべく令和2年10月に立ち上がったプロジェクトです。本プロジェクトでは新潟県の医療・健康課題に対応したヘルスケアICTを活用し、人材・企業を育成することで、新潟から最先端のヘルスケアICTを生み出すことを目的としています。プロジェクトは2本の柱を軸としています。1つ目は、ヘルスケアICTプロダクトの開発です。新潟県の有する特に大きな医療課題として、小児産婦人科領域、救急医療領域、生活習慣病領域の3領域にてプロダクトの開発や地域展開に取り組んでいます。2つ目は、人材育成構想です。ヘルスケアICT人材の育成・集積を行っていくための人材育成コースとコミュニティを併走しています。 この2本柱で、分析・アイデア創出・サービス開発のサイクルが担える人・企業を新潟に増やし、継続的なイノベーション創出を通して、ヘルスケアICT立県を実現します。本プロジェクトは、株式会社BSNアイネット、ハイズ株式会社、株式会社Kids Public、日本電気株式会社新潟支店がコンソーシアムを構成し、新潟県や新潟大学と連携してワンチームで取り組んでいます。 詳細はこちらの記事をご覧ください。
にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。
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