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ICT支援員の魅力と課題

ICT支援員の魅力と課題

ICT支援員と子どもたち

GIGAの関係で全国にICT支援員が配置されてもうすぐ2年。多くの支援員は雇用継続の場合が多いとは思いますが、今年度で契約が切れ、新しく来年度から契約を考えている人や新規に自治体が支援員を募集して雇用する場合も多いとか思います。

ネットやユーチューブなどでICT支援員の情報はちょくちょく出てきますが、現場の生の情報というのはなかなか出てこないものです。それは支援員であっても様々な守秘義務もあり、出せる情報、出せない情報も色々とあるからかな。

このノートもリアルな学校は載せるわけにはいかないので、南の風小中学校という架空の学校を舞台に情報を発信していますが、筆者は実際にICT支援員として学校現場で働いていますし、かつては教員だったので学校現場というものについてはかなり詳しいので非常にリアルに近いフィクションという前提で記事を書いています。

これからICT支援をやってみようと思っている人、今ICT支援員なんだけど、ちょっと情報がほしいなあと思っている人に少しでもお役に立てればと思って記事を書いています。

では本題。

ICT支援員の魅力とは。

パソコンの神様

・ICT支援員になろうと思っている人は、まず全員がある程度パソコンの知識に詳しい人が多いでしょうから、その知識が活かせます。その知識を先生方や子どもたちに提供することで確実に感謝されます。子どもたちはパソコンの神様とかパソコンのカリスマとかいって近寄って来ます。(小学校ですが)。未だに授業が終わったら、ICT支援員の先生にお礼を言いましょうと言ってお礼を言ってくださる学級が多いです。もう、特別な関係ではないんだから、お礼はもういいでしょうとは思うのですが。
・私は元教員なのであまり感じませんが、民間からICT支援員になった人は、なんか先生って呼ばれるし、学校ってこんな感じだったんだと先生志向だった人には念願がかなったようないい感じを持てるみたいです。
ICT支援員が子ども好きの人なら、本当に子どもって純真だし、意欲的だし、ある意味癒やされる空間や時間を共有できます。教師と違って生徒指導するわけでもなく、いいとこ取りで時間を過ごすこともできます。これは主に小学校ですが。
・時間的な余裕があります。まず残業はありません。会議に出席することもなければ、本業以外の仕事をすることも殆どありません。この時間がきっちりしているというのもICT支援員の大きな魅力です。
・ICT機器というのは子どもたちの可能性を伸ばす教育機器です。その教育機器を利用することで未来の子どもたちを育成しているんだという感じを持つことができます。この感覚は一般の学習支援員ではなかなか味わえない感覚です。
子どもたちも、一般の学習支援員とICT支援員では接する感覚が違います。やはり専門家がやってきてるという感覚なんでしょうか。
まだまだありますが、魅力はこの辺にしといて。

ICT支援員の課題とは

給与の低さ

・一番の課題は給与です。この職だけで食っていくことはほとんど不可能です。独身で家族と同居ならなんとかなるかもしれませんが、家族を食わしていくほどの給与は支給されません。殆どが時給や日給計算でボーナスもまずありません。
退職者でアルバイトやお小遣い感覚で働く人にとってはいい仕事だとは思いますが、正直若い人におすすめできる仕事ではないです。
本当ならもっとICT支援員の価値が上がり、塾講師のように時給何千円という職になれば違うんでしょうが。そうなってほしいですが・・・。

・学校のICTというのは、あくまでも学校で使う範囲でのICT技能があれば十分です。ネットワークにめちゃくちゃ詳しい、プログラムも詳しくてアプリも開発したことがあるような人にとっては、自分の技能が生かされていないと感じる場面が多いかもしれません。特に民間でコンピュータに携わってこられた人にとっては、そのギャップが大きくてやりがいを感じられないかもしれません。学校もそのような技能を必要としていません。

・民間からこられた方が一番戸惑うのは、学校文化かもしれません。やはり学校文化は民間とはいい意味でも悪い意味でも違いがあります。郷に入れば郷に従うではではないけど、はやり学校文化に馴染んでいった方が良いです。その文化に馴染めない人はちょっとしんどいかもしれません。

・もうひとつ大きなことが先生や子どもたちとのコミュニケーションです。コンピュータ得意だけど、人と話すのがめんどくさいと言う人はICT支援員には向いていないかもしれません。これは民間、学校どちらの世界でも同じだとは思いますが、コミュニケーションがうまく取れないと仕事がしんどくなります。これがネックになってICT支援員をやめた、やめさせられた人を何人か知っています。

今回はICT支援員の魅力と課題を取り上げてみました。

未来の高給ICT支援員



前回、ICT支援員の明日っていう記事を書きましたが、ICT支援員の仕事は魅力もありつつ結構課題もある仕事です。これはどの職でも同じかもしれませんが。
新しいこのICT支援員の仕事が少しでも広く認知されるように、価値が高められて給与が上がるように今後もICT支援員の仕事を取り上げて行きたいと思います。(続く)


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