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なぜ多くの教員が現場を去りたくなるのか?

こんにちは。ぐうぽんです。

教員の離職や、人材不足が多くのニュースとして伝えられています。
今年の教員採用試験の倍率は1.1倍との話もあり、ますます日本の学校教育の質が維持できなくなってくると思います。

日本式教育の限界が来ている?

なぜここまで教員が現場を離れるのか、そしてなぜここまでブラック企業的な状況になってしまったのか。

そこには、世の中が多様化しているのに、学校教育は明治時代からあまり変化していないことにあるのではと思います。

簡単に言えば、

時代に合わない働き方をしているから、教員の負担も多いのではないかと思います。


大学の科目で、世界の教育と教員の姿を学びましたが、日本ほど朝から晩まで勤務はしていません。

教員は教科指導のみ。部活動は外部に委託。生活指導等はスクールカウンセラーに任せるなど、完全な分業制を敷いています。
よって教員は時間が来たら退勤し、残業はほとんどしないと聞いています。

これを知ったとき愕然としたと同時に、いかに日本の勤務体系が旧態依然なのかと理解しました。


教科指導のみならず学級経営に生活指導、中高においては部活動と、担任の先生は役割が広すぎると思います。

いくら子どもたちのため、とはいえ、先生も人間です。
無理をしたら働けなくなります。
働けなくなったら、本人や現場の人的配置も変わるので大変ですが、何より一番まずいのは残された子どもたち。

担任不在というのは子どもに大きな心理的不安を与えます。
そういった意味でも、先生がいなくなるというのは大きな問題と思います。

そんな先生たちを定時で帰れるようにしたかったら、欧米のようにもっと分業化を図るべきだと感じます。

近年はデジタル化による効率化も図られていますが、内容によってはデジタル化によって逆に時間を要してしまうケースも少なからずあります。

難しい操作を伴うようなソフトの活用はしない、どうしても必要であれば教員のITスキルを上げるための研修を定期的に行ったり、専門家に業務を委託する等の工夫が必要と考えます。

ICT支援員と時間講師の10数年で、私も多くの休職や途中退職の先生を見ています。

世の中の動きに合わせて、教育内容だけでなく教員の働き方も大きく見直す必要がある。

それを勤務していて強く感じています。


若い先生を育成するには

教員という仕事は、子どもが好き、教えることが好きな人なら大変魅力的だと思います。
しかし楽しいこと以上に保護者対応や各種研修、授業準備などが多く、正直今は楽しさよりも負担のほうが多いように感じます。

せっかく夢や希望を持ってこの世界に来た若い先生が、こうした数多くの弊害や負担によって道を断ってしまうのが一番の問題です。

先輩方のアドバイス等をもらいながら成功や失敗の経験を積まれて一人前の先生として活躍してもらうためには、

①少しでも負担を減らす
②悩みや不安を表に出しやすくする「開かれた職場環境」の構築
③いきなり担任を任せるのではなく、1年間の研修期間を設ける

というのがいいのではないでしょうか。

特に③は大学卒業して即現場だといくら教育実習を経験しているとはいえ、無理があると思います。

実習と現場は全然違います。
たった2週間~1ヶ月の実習では本質の理解には程遠いのですから、4年生の1年間は実習+担任としての経験を積ませる練習時間に充てるのがいいと思います。

そして何より相談しやすい空気を作ること。
若い方は自分もそうですが一人で抱えがちになりますので、②の雰囲気作りは大変重要です。

学級経営は独立ではなく、支え合うもの。
これだけで不安を抱える先生の心は楽になると思います。


先日、3ヶ月ほど休職していた先生が復帰されました。

この4月から担任を務めていましたが、体調を崩されしばらく休んでいましたが、講師の形で徐々に体を慣らしていくそうです。

先生が一歩ずつ、先生としての道を歩まれ、独り立ちできるよう影から見守ろうと思います。

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