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「リカレント教育」をご存知ですか?

ブログ等では私が通信制大学で教員免許を取得した話をしていますが、その中で未だに心に残っている言葉の中に「リカレント教育」があります。

今回はICTから少し離れて、通信制大学で学んだ「生涯学習」の一つ、リカレント教育についてまとめようと思います。

リカレント教育とは

多くの人は小・中・高校・大学(専門)を卒業すると社会に出て働きます。
しかし教育の観点からすると、社会人になったら全く勉強をしなくなるという問題があり、これを見直し社会人こそ学び直しをして知識や技術を高めるべきであり、その時期は各々が学びたいと思ったときである、というのがリカレント教育の理論です。

通信制大学に在籍している人の多くは現役社会人や定年後リタイアした人たちです。
その目的は、知識や技術を高めたい、新しい仕事に就くために必要な資格を取得したいといったところです。

さて、私もリカレント教育の実践者の一人としてこの科目を学び進めるうちに、「確かに、なぜ大人は学び直しをしないんだろうか」と疑問を持つようになりました。

もちろん私も社会人として働いているときは「もう勉強なんてするもんか!」と思っていましたが、今回のように叶えたい夢や目標が出てきたとき、「このままではいけない」と、資格取得や夢実現に向けた行動を起こしました。
これこそがリカレント教育の本質だと思います。

国も促進するリカレント教育

数年前、かつての安倍前首相が人生100年時代の到来を視野に、リカレント教育の重要性を訴えました。

ただリカレント教育は、なにも絶対学校へ入れ、などそんな大それた行動じゃなく、たとえば「泳げるようになりたいからジムで水泳のレッスンを受け始める」「ちょっと歴史をかじりたいからカルチャーセンターで学ぶ」というのも一種のリカレント教育ですので、ハードルは案外低いと思います。

要は

これからの社会変化に適応できるようにするため、常に知識や思考を高め、新たな時代が到来しても対応できる人材になる

ことが求められているのです。

今の時代、リカレント教育は必要だと思うのです。


リカレント教育が広まらない理由

そんなリカレント教育はOECDが1973年に提唱したもので、世界レベルでの実現が促されています。
しかしどうしても社会人になると勉強しようとは思えませんし、特にその傾向が強いのは日本と言われています。

なぜならそこに、日本の教育システムの問題があるからです。

日本の教育は明治時代の学制制度から一貫して知識伝達に重きが置かれた、いわゆる詰め込み型の教育です。
そのため内容が難しくなるにつれ、学びの楽しさよりも苦痛の方が強く心に残り、結果、卒業し社会に出てからは改めて学ぼうという意識は低く、結果的に学び直す人口が少ないのです。
(これを受け、現行の学習指導要領は知識偏重から学び合いへと移行していますが、詰め込みからはまだまだ抜け出せてません)

学びの面白さは、知識を吸収するだけでなく、それを活用することにあります。
学校で学んだ知識技術を社会で生かし、そして社会で活躍する中で足りない知識技術があれば職場で学ぶこともありますし、場合によってはリカレント教育として学校等に通うなど、その方法は様々あります。

私の場合ICT支援員の勤務で学校教育の奥深い部分が現場では学びきれないと判断して大学に入学し、最終的に教員免許を取得したので大きなキャリアアップとなりました。

まとめ

「人間は一生涯学び続ける生き物である。」

これは生涯学習のテキストにあった、印象深い一文です。

リカレント教育というと重苦しい、難しい印象かもしれませんが、常に新しい知識や情報を身につけることで、人生は豊かになります。
そして新たに習得した知識がまた違う知識と結びつき、新しい知識や概念を生み出すこともあります。

リカレント教育は学校教育と並ぶ、これからの社会にとても重要な教育だと思うのです。

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