プログラミング教育の肝は「達成感」
こんにちは。ぐうぽんです。
プログラミング教育が現行の学習指導要領で義務化されて丸4年が経過しました。
過去記事で、プログラミング教育の危機的状況をまとめましたが、プログラミング教育はまだまだ試行錯誤や確立した授業形態には遠い感じです。
これまでの様子と知見を元に、プログラミング教育を実りある活動にするための考察をしてみます。
「自由に、かつ理論とともに」
「プログラミング教育」への見解は多種多様で、様々な方策が提案されています。
その多くは、Scratchを基本とした授業であり、傍から見ているとクラスでは体験程度、クラブ活動ではゲーム作りといったところです。
それを否定する訳ではありませんが、気になるのは
Scratchしか使っていないこと。
いわゆる「アンプラグド」と呼ばれる、コンピュータを使わないプログラミングをほとんどやっていないのです。
導入されて1~2年目あたりでは自分が関わる機会もあったので、ScratchのみならずViscuitやアルゴロジック、Hour of Codeなど多様なプログラミングに触れさせ、アンプラグドでも簡単な理論を伝えました。
過去に関わった児童の中にはViscuitにのめり込み、毎月作品を見せてくれるようになりました。
聞くと、自主的にYouTubeで学び、そのスキルを高めたそう。
学校等できっかけを持たせて、一人でも多くの児童がプログラミングの面白さに触れられたらと思います。
模範解答の用意、自己有用感の育成
プログラミングは、正解が一つではありません。
条件に合っていれば、表現方法はどんなものでもかまいませんので自由な発想でプログラミングができます。
ですが「模範解答」は必要です。
なぜなら、作ったコードに余計な動きがあると無駄が増えるから。
模範解答を見て、より効率的な方法があることに気づかせることで、無駄を省いたコードを構築できるようになります。
またアルゴロジック等のアルゴリズムゲームでも模範解答があれば一つの指針になりますので攻略の参考になります。
いずれにせよどんな形であれプログラムを一つの形で表現できれば目的は達成しますので、こうした「達成感」こそ子どもたちのプログラミングに大事だと思っています。
どんな小さなプログラムでも、実際に動いていれば立派なプログラムです。
一人で構築したのであれば素晴らしいことです。
そんな小さな成功の積み重ねを繰り返していくと「自分はやればできる」という気持ちが芽生え、自己有用感の醸成にもなります。
教科学習は苦手でもプログラミングは得意という児童生徒は多いです。
こういった児童生徒に対して得意なものを見つけ伸ばす手段の一つにプログラミング!と堂々と言える環境を作ってあげるのも、大人の役目ではないかと思います。
体験する時間を確保しましょう
プログラミング教育が頓挫しつつある現状を見て、ICT支援員等が勤務していない学校ではプログラミング教育の継続って難しいように感じます。
またICT支援員が勤務していても中身が単発では意味をなしません。
年間を通したカリキュラムの策定、積極的な実施、教科学習への埋め込みが大事だと考えます。
どうしても情報関係は教科の二の次に追いやられてしまいがちですが、現行の学習指導要領では、情報活用能力は学習の基盤となる資質・能力の一つとして設定されています。
つまり、プログラミング教育を含めた情報活用能力は、教科学習と同等の位置に据えられているので実施しないことは許されません。
必ず体験する時間を確保する必要があります。
とはいえ、どうしてもとっつきにくい印象の強いプログラミング教育。
でもそんなに難しく考える必要はありません。
むしろ、児童生徒に丸投げで良いのです。
図工と同じで、使い方さえ教えれば勝手に作り、勝手に考えます。
困ったときだけ手を差し伸べれば良いのです。
2学期も始まりました。
クラブ等でやっているから…と一任せず、ぜひクラスでもプログラミング教育に足を踏み入れてみてくださいね。
※最後にアンプラグドに関する書籍を紹介しています。参考にしてください
★プログラミング教育に関する記事
★アンプラグドプログラミングにおすすめの書籍
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