【超短編】第6話 眠い
眠い。とにかく眠い。
瞼は重く、そして固く、熱い。
何度まばたきを繰り返しても潤わない角膜。
天を見上げ、目薬をさす。さすというより、かける。
ミジンコなら泳げそうなくらいにダバダバとかける。
顔を下げると大量の目薬とミジンコが頬を伝って地面に落ちる。
眠い。とにかく眠い。
頻繁に摂取したカフェインのせいで動悸が激しい。
ドキドキして眠い。なんと逆説的なことか。
眠い。とにかく眠い。
いま、ここ、での記憶は夢か現実か。いずれにせよもう忘れている。
眠い。いま確かな最大のことだ。
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