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人間関係とかいうやつ

島に働きに来て10日目、「人間関係」という生きていれば誰しも1度は悩んだことがあるだろう問題に、私も例外なく直面している。
青森にいた時は事務職だったため、データ相手の毎日だった。
同期は皆仲が良く、上司とも上手くやっていた。
1日を通して人と話す機会が少なかったのも大いにあるだろうが、人間関係で悩むことはほぼ無かった。
人間関係に悩む今、事務職以前の仕事のことが思い出される。
パン屋も、洋食屋も、カフェも、ケーキ屋も、当たり前だが合う人合わない人がいた。
しかしその合う合わないにもレベルがある。
その振れ幅が小さいほど、過ごしやすい職場なのではないかと私は考える。

※今回の記事は、私の「主観」で書いている。
愚痴のような書き方は極力したくないが、感じたままを吐き出させてもらった。

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基本的には、私を含めて4〜5人でお店を回す。
お店のご夫婦と、私と同じく住み込みで働く女の子1人と、パートのおばさんが1人と、私。
ご夫婦との相性はまずまず、特段良くもなく悪くもない、という感じだと思う。

問題はここからで、住み込みで働く4つ上の女の子と私は、正反対なのである。
彼女は気が強くサバサバしていて、言い方を選ばずに言うとガサツで、でもとても仕事が出来るタイプだ。
私は基本のんびりとしていて、人からは親しみやすい、優しい、穏やかだと言われる。
けれど私のこの特性は、忙しい飲食店では裏目に出てしまう。
彼女から「それ違う!」「それ効率悪い!」「それは後!こっち先!」などと毎日のように言われる。
正直怖いし、ため息が出る。
さすがの私でも、イラッとしてしまう時もある。
私だって、好きでたらたら動いているわけじゃない。
どうしたらうまくできるか、考えているのだ。
彼女はきっと、頭の中の回路が私とはかけ離れているのだと思う。
よりによって部屋も隣。
彼女は夜も働いているので、夜中に帰ってくる。
私は耳栓をして眠っているので全く問題はないのだが、逆に朝6時に目覚める私の物音で彼女を起こしてしまいやしないかと、少しばかり気を遣う。
けれど、夜に働いているのはそちらの都合だ。
怯えて暮らすのは御免なので、私は私で自由にやっている。

そして、独身だというパートのおばさん。
奥さんから癖の強い人だと聞いていたが、それは本当だった。
聞いてもいないことをペラペラ喋るし、私と似ていて、忙しい時は自分のことしか見えていないようだ。
布巾のたたみ方、ポットの置き方、トイレの洗面所の水滴。
ここは5つ星ホテルなんですか聞きたくなるくらい小言を言われる。
「そんなやり方する人初めてみたわ!」などと、語尾に余計なひと言までオマケで付いてくる。
自分の都合の良いように私が動けていないと、お客さんが目の前にいようが指摘してくる。
すれ違う時にぶつかりそうになれば、舌打ち。
わからないことを質問しても、ガン無視。
これには私もカッとなってしまい、おばさんの背中に向かって睨んでしまった。
深呼吸だ、深呼吸。
自分に言い聞かせ、あくまで大人な対応を心がける。
お客さんに罪はない。
私が不機嫌なのは、従業員に対してであり、ご飯を食べに来てくれたお客さんには、笑顔でありたい。
「美味しかったよ!」「島の魚は美味いね!」「ご馳走様!」と、笑顔で満足気に帰っていくお客さんたちを見ると、作ったのは私じゃないけれど嬉しくなる。私もつられて、笑顔になる。

仕事中、ご夫婦と、気の強い女の子、そしてパートのおばさんたちは楽しそうに話す。
けれど私は黙々と作業する。
別に話に入りたいとも思わない。
そもそも、笑いのツボが別の位置にあると思う。
毎日ご夫婦と夜ご飯をご一緒するのだが、その際にご夫婦は、テレビを見て声をあげて笑っている。
私はそもそも食事中にテレビを見ないし、バラエティを見てもたいして面白いとは思わない。
何がそんなに面白いのか、私にはわからなかった。

今日の仕事終わりは、先日行って一目惚れしたカフェの別店舗へお邪魔しに行った。
こちらの店舗はフェリーターミナルの中にある。
フェリーの時間に合わせて、旦那さんが1人で営業しているらしい。
旦那さんも奥さん同様感じがよく、ダンディな雰囲気で、いかにも美味しいコーヒーを淹れてくれそうであった。
早速、期間限定だという「杏仁ミルク」を注文。
ふわふわのミルクに、杏仁のやさしい香り。
仕事のストレスもどこかへ行ってしまいそうだ。
確かにストレスは感じているものの、その場その場のやり過ごし方、ストレス発散方法、自分を客観的に見るなど、割と上手くやれているように思う。
ここのカフェのご夫婦やスタッフだったり、この前行った雑貨屋のオーナーの方が、職場の人たちよりよっぽど、私と合う波長のようなものを、ほんのりと感じる。
それはもしかしたら、私がお客さんだから感じるものなのかもしれないけれど、でも確かに私は思ったのだ。
働きに来たのがこっちのお店だったらな…と。

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美しかった昨日の夕日

なんだかんだ、来たばかりの頃よりは、気の強い女の子とも少しばかりの会話は出来るようになった。
パートのおばさんも、機嫌がいい時は謎に話しかけてくる。
忙しい時は誰しも、余裕がなくなってピリピリしてしまうものだ。
けれど私は、お客さんに笑顔で接する余裕と、従業員同士円滑に仕事をする余裕、これは忘れないでいたい。
そう思うのであった。

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