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そばにいる人が何のために働いているのか知ってる?

チームメンバーの働く動機を大切にしている。
新しいチームができた時やメンバーが増えた時、まずは皆が何のために働いているかを知ることから始める。PjMだからというよりは、単純に仕事がしやすくなったり、一緒にいて楽しいからそうしている。

働く動機はその人の仕事観、そして人生の哲学そのものだと思う。

胸の内を引き出す場を作る

大袈裟な見出しをつけてしまったが、なんだかんだ言って動機は聞き出すのが手っ取り早い。しかし「何のために働いていますか?」なんて安直な聞き方をしたら「生活のため」と言われて終わるだろう。僕自身も「金💰」と即答する。そりゃそうだ。
正直に金のためならまだいいが「社会のため」とか「お客さんのため」なんて言われたらだいぶ警戒されている。クソ頭の硬い嫌な上司がいるのか、はたまた相手との心の距離が遠いのか(単純に僕の心が汚れているだけかもしれないが)。

仕事観について尋ねるシチュエーションは大切だ。色々あるだろうけど、二つのケースを挙げてみる。

  • 一対一で話してみる

  • チームメンバーみんなで自己開示をしあう

一対一で話してみる

できれば一杯やりながらといきたいが、フルリモートで働いているため画面越しの会話が主だ。偶発的な会話は発生しにくいため定期的にメンバー全員と1on1の時間を作っている。

僕は今の会社に転職してきた際、最初に「メンバーのことを知りたいのでこれから全員と1on1の時間を作らせてほしい」と宣言して場を作った。
この文化がない方は「こんなブログ読んだんですよー」とでも言って初めていただけばと思う。

一対一で話すメリットは、スケジュール調整が楽なことと一人の人間と丁寧に向きあえることだ。

入社から半年経ったが、今でも1on1は続けている。

チームメンバーみんなで自己開示をしあう

できれば物理的に集合してやるといい。
難しければオンラインでも可能だ。できれば弊社のCacooを使っていただきたいが、オンラインで付箋をペタペタ貼ることのできるツールなら何でもいい。

「チームビルディングのためのワークショップをしよう」とでも言って召集をかければよい。

みんなで自己開示をしあうメリットは、一体感が得られることや他者の意見を通して自身を見つめ直す機会が得られることだ。

胸の内を引き出す問いかけを投げる

肝心な問いかけについて僕はこんなことを聞く

  • この仕事をしていて面白いと感じる瞬間はどんな時か?

  • なぜこの会社で働くことを選んだのか?この仕事を選んだのか?

  • 今後好きな業務を何でも選べるとしたら何をしたいか?

好きなことや、やりたいことの中にその人の哲学が現れる。
これまでの経験や仕事選びは価値観を形成する大きな要因だ。

1on1なら素直にそう聞けばいいし、ワークショップの形式なら皆に書き出してもらいひとりづつ発表する時間を作る。

心理的安全性の高い環境なら素直な言葉が聞けるだろう。そうでない場合はまずは自分から上記問いに答えることが大切だ。
個人的にはこの問いかけは評価する側の人間(いわゆる管理職)よりも、評価に影響のない人間が行った方がよさそうな気はしている。変に気を遣って模範解答的な、または自己を守るような言葉が出るかもなーとか思う(僕だったらそうしてしまう)。

動機を知ったところでどうするのか?

僕はPjMという仕事柄、メンバーにタスクの割り当てやチームの編成を行う。その際に、皆のモチベーションを高めるような(嫌な言い方をすれば動機をくすぐるような)依頼の仕方をする。進捗確認、チームの編成、日々のコミュニケーションにおいて、それぞれの哲学に気を配る。

例えば技術がとことん好きで突き詰めたいメンバーには「あなたの力ならできる」などと言って技術的に難しいタスクを依頼し、いちいち口を出さないようにする。
特定の分野に誇りを持っている方には「あなたの決断に委ねる、どんな方針であれそれに従う、失敗しても僕の責任だ」と言って権限を委譲する。
随分と打算的だと思われるかもしれないが、僕はそういう人間なので仕方がない。

PjMの仕事は決断することだ。

ある程度の不確実性を孕む選択において、万人が賛同するような選択肢はない。

その決断において、メンバーの尊厳や哲学を踏み躙ることだけは避けたいと考えている。そのためにも皆の哲学を知りたい。書いていて気づいたが、最も重要なポイントはここなのかもしれない。

知ることの効果は人によってまちまちだと思う。
少し仕事がやりやすくなったとか、組織編成の要となったとか、知ることで嫌いになることもあるかもしれない。

ただ、僕はチームメンバーの働く動機を大切にしている。


この記事は「プロジェクトマネジメントとか組織作りとか Advent Calendar 2022」の12月2日分として書きました。僕が普段考えていることを言語化しています。

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