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あなたのチームメンバーは他のメンバーのことをちゃんと知ってる?1on1編

前の記事では、メンバーのことを知る意味と方法を記した。
ここではメンバー同士はわかり合っているのか?ということについて書く。

1on1を継続的に実施して、その人のことを知ったとする。でもそれではもったいない。メンバー同士がそれぞれわかり合った方が、組織として強くなる。理解を個人のうちに留めておくのは不十分だと僕は考えている。

一つの試みとして、以下を目的としたちょっと変わった1on1を挙げる。

  • 個人に対してのみならずチームの相互理解を深めることを目的とする

  • 個人との対話を通して組織の持つ問題点を発見する

  • 上司部下での関係性ではない。よって、コーチング的な要素は一切取り入れない

具体的にどのように実施しているかについて書く。

1on1の記録を公開し、それに対して皆がリアクションできるようにする

以下のように1on1を実施した。

  • チームのメンバー16人に対して2週間に1度 (2週間で一巡する)。忙しい時は頻度を落としたりもする

  • 1回の時間は15分

  • 議事録を取り社内公開する。事前に全メンバーに対して承諾をとった

  • 他のメンバーの議事録に対してコメントやリアクションを書き込んでもらう(google docsを使用)

今でもこの取り組みには大きなリスクがあると思う。1on1の持つ秘匿性を無視することは、信頼を損なう可能性がある行為だからだ。そもそも1on1を通してメンバーの相互理解を深めましょうなんて推奨されていないし、ろくに実施例も出てこなかった。

まあでも意味があるのではないかと思ったので、以下のような宣言をして内容を公開する前提での1on1を開始した。

- メンバーの相互理解を深めることでこの組織はもっとよくなると私は考えています
- 皆の意見を集め見えるようにすることで、組織の持つ課題を見つけたいと考えています
- 嫌な人が一人でもいれば公開しません
- 公開の前後を問わず自身の議事は好きに修正可能です

誰ひとり反対しなかったのでこの1on1は今でも継続している。

実施した経緯を含めこの取り組みについては以下のスライドにまとめている。

気をつけた点について

議事を画面共有しながらリアルタイムで編集することで、発言者の意図とずれた発言を残さないようにした。この言い回しは嫌だなとか、やっぱりここは書かないで欲しいとか。
勿論議事はいつでも修正可能にしていたので、ちょっと気になった言葉は、皆自由に修正したり追記したりしていた。

そのクールでは皆に同じ質問やテーマを設定した。
組織の問題を発見するため、皆に同じ問を投げて解答の傾向や議事への反応を見守った。
一番盛り上がったのは趣味の話やお盆の過ごし方とかそこら変だった。

その結果どうなったのか?

相互理解がものすごく深まったかと言えば何とも言えないが、あの人はこんなこと考えているのか!ってのがふんわりと伝わるようになったと感じている。

メンバーにアンケートを取った結果としては、議事を公開することは組織にとってよい作用があると感じるという項目のスコアが最も高かった。

組織の問題点を見つけるという点においては、一つ結論が出た。
問題意識はその人の専門分野に依存する。これに尽きる。

皆が共通の問題意識を持っているんだったら、ある程度の組織なら解決する方向に動くはずだしね。

僕が入社してまだ半年だ。

相互理解を深めて組織を強くするって試みは長い目で見て続けていくものなんだろうなあと自身に言い聞かせながら継続することにする。


この記事は「プロジェクトマネジメントとか組織作りとか Advent Calendar 2022」の12月3日分として書きました。僕が普段考えていることを言語化しています。

https://adventar.org/calendars/8010

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