茂見社長とユーザ起点のイノベーションを探る ー第1回 : 日本郵船 様ー 1/3
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茂見社長とユーザ起点のイノベーションを探る ー第1回 : 日本郵船 様ー 1/3

ICI総合センター

ICI総合センターが「ICIオープンイノベーションLIVE」にて、共創パートナーである 株式会社トヨコーの代表取締役社長CRC 茂見様と日本郵船株式会社の鈴木様をお迎えして3社による対談が2020年7月1日(水)オンラインにて行われました。本日より3日連続で対談の模様をお伝えてしてまいります。

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[対談企画]茂見社長とユーザ起点のイノベーションを探る

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ICIオープンイノベーションLIVEコンテンツ『茂見社長とユーザ起点のイノベーションを探る(仮題)』では、”今回の新型肺炎により今後の社会が変わる”といわれている中で、建設業界とは異なる業種ではどのように捉えているのか、そして今後のオープンイノベーションの進め方やあるべき姿について、ゲストをお招きして対談を通じて深めていこうと考えています。

第1回は日本郵船株式会社の執行役員で、デジタライゼーショングループ長も務めていらっしゃる鈴木英樹様をお迎えいたしました。

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今回、アフターコロナ社会でのオープンイノベーションについて、お話を伺っていきたいと思います。昨今、価値観の変化というものが話題となっていますが、このような変化の時に一番起こるのがイノベーションだと思います。その変化の時のオープンイノベーションについて考えていくことを、取り上げるのが趣旨です。
第1弾として、環境変化が激しい業界であり、DXの先駆者である鈴木様にお話を聞きたいと思います。 各社のオープンイノベーションの取組についても絡めながら、紹介していきたいと思います。
まずは鈴木様の経歴からお話しいただければと思います。

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就職する時は船会社は全く未知の状況で就職したのですが、就職時に考えていたのは「世界の覇王になる」ということ。そのためには食糧か燃料を占める(握る)かだろうと。学生時代は、社会に出て何がしたいかというのはあまりなかったかと思います。なので、働いているうちに見つかれば、というリラックスした感じで考えていました。バブル時の入社で、自分が素のままで生きられる業種ということが念頭にありました。中でも重工や船会社など、当時は大不況業種で伝統はあるが生き残るためにダイナミズムが求められる業界に身を置くことに興味があり、かつその業界のトップの会社に入るべき、と思いました。
つまり、バブルという時代に背を向けた自分の性格と、会いに行った同級生や面接官などのノリと偶然、ご縁がつながったことが入社したキッカケでした:笑。

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当日の対談はオンラインにて、鈴木様にこれまでの取組や経緯にてついてご紹介いただきました。

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バブル時に、引く手あまたの業種でなく、厳しさもある業種の方が変革が起こるという理由で業種を選ばれたとのことですが、実際入社してみていかがでしたか。生き残りをかけた変革というのはあったのでしょうか。

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オープン/フレンドリー/フランクという社風であり、変革に対しては、「何とかしよう」という意識、危機迫る感じはあまりなかった印象でした。(バブル時に組合がスト打ってましたが、、、、)
船というのは収入がドルで、円高により競争力を失った時代でもありました。そのため、コスト構造を円からドルに変換していくことを国内では一番推し進めた企業ではないかと思います。また元来グローバルな会社ということでIT化も進めていました。世界中のシステムをつないでいたのは当時船会社か銀行か、という感じもありました。そういう意味では、時代に先駆けているという印象はあったでしょうか。
その他、船員を既に海外から受け入れていましたね。今でこそ日本でも例が増えましたが、船は籍のある国の法律が影響するので、当時は労働者確保のために外国籍船が多かったです。
働き方という観点ではもう一つ、船は24時間365日動いているので勤務において時間に縛られている感覚はなかったです。現場は当時から常にリモートで働いていたので、最近のリモートワークはなじみやすかったですね。

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鈴木さんのオリジンは初めに社風ありきだったのかなと感じました。ドル化やグローバルネットワークなどの課題にも、危機感を感じて、いち早くシリアスに対応したというよりも、日常的にみんなとお酒を交えて、のめり込んでいたらいつの間にか出来上がっていたという印象を受けました。これってオープンイノベーションの原点、あり方の一つではないかと思います。

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「ピンチを楽しむ」というか、「大変だからこそわくわくウキウキ」というのがありました。「これやってみよう」「こういうことした方が良いんじゃないか」など、常に知恵を出す必要があったのです。
仕事においては、会社から任せてもらえた感・・・信頼感ですね、そしてオープンな雰囲気があったので、モチベーションを保てました。

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そして近年では、ヨーロッパの方で重要な仕事と組織を任されたタイミングでありながら、同時期にシリコンバレーに行ってくれ、というお話が会社からあったと伺っていますが。

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それまで仕事を突っ走ってきたということもあってゆっくりしようと思って(笑)、2015年にロンドンに行きました。その時に、コンテナ船事業の日本郵船、商船三井、川崎汽船の事業統合になりました。突然、統合準備事務局より欧州・アフリカの統合組織のチェアマンにNYK(日本郵船)が指名され、私が統合の責任者になりました。そして、つい昨日までコンペティターであり競争していた相手と、統合の打合せを毎週のように行いました。もちろん各社は、社員を守ること、自社の利益を守ること、が優先でしたが、私は『次の会社(統合組織)がどうあるべきか』『何がベストか』を考えると自社の社員に伝え、ドライかつニュートラルな立場をとりました。でないと、組織が空中分解してしまうし、言葉に重みがなくなります。この時は同じ国の同じ業界での仕事でしたが、各社間で大きな違いがありました。各自「自分がベスト」と思っているので、リスペクトをしながら、進める必要がありました。
22ヶ国くらいに各社の事務所があり、各国異なる文化があります。歴史的背景も相まって22か国×3社の思想をまとめるには、もうパッションしかない(笑)。あとは各人に各々のプロフェッショナリズムを説きました。「(我々は)プロの集団なので、どう考えてもすごい事しかできない。世界一になれるんじゃん」という感じで。
2017年の頭から準備が始まり、1年半後までに統合完了というスケジュールが決まっていました。22ヶ国44事務所のまとめや代理店の統廃合、40を超える情報システムの刷新も行う・・・何を聞いても「無理だろう」という印象でした。
その中で最初にやったのは、ポジション毎、ファンクション毎、スキル毎、各国毎の人員一覧表の作成です。新会社の設立と、既存ビジネスの継続を両立する必要がありますが、定期船会社はギリギリの人数で常に回しているため、本社へは安易なコミットメントをしないようにしました。「統合を成功させたいなら人を突っ込んでくれ」と伝えたということです。本社と本気で戦っている自分を見て、文化の異なる他社の人が信じてくれる・・・これがイコール、自分の会社の人を守っていることになっていたのです。皆には「全部が100点は無理。期日までにすべきことを選択し集中しろ」と伝えました。そしてプライオリティの低い業務は切る、という選択をしました。
そんな中、新会社の立ち上げ作業中に、社長からシリコンバレー行きの話が急に来たのです。

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新会社が2018年4月にスタートし、その後鈴木様はシリコンバレーに渡りました。

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まさに経営者、リーダーのための重要な要素がたくさん含まれていますね。決断し、鼓舞し、最後は責任を負う姿を仲間は見ていたんだと思います。

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そこからシリコンバレーに行くんですけど、アメリカの政権が代わったタイミングで、ビザの申請を相談したら、ロンドンで申請すると下りない可能性があるので日本で申請した方がいい、と言われ日本に帰りました。ただ、日本でもビザが取りにくくなっていて、5月に戻って7月末の赴任までの約3か月間はふらふらしてました。

(つづく)

[番外編]日本郵船様のイノベーション ShipDCとは?

ShipDCとは?
デジタル技術を使い、海運会社、造船会社、顧客(荷主)、以上の“三方良し”を目指すのがゴール。海運会社は、船舶がプラントであり細やかなメンテナンスを続けてコンディションを調整していくという前提を理解せず、自動車や家電のように不具合が生じた際に一方的なことだけ言う存在になってはいけない。一方、造船は残念ながら自分たちで製品を使わない。実海域で船がどう動き、どのような不具合が起きるのか関心が薄かったのは事実だろう。使う側と作る側に共通の言語がないという問題があった。そのためには絶対にデータが必要となる。データという非常に中立的な存在を通じて作る側・使う側、皆が同じ目線で会話することができる。

シップデータセンター(ShipDC)によるIoS-OP(IoS〈船のインターネット化〉オープンプラットフォーム)は、関係者が標準化された言葉で話すことに大きな意義がある。データがオープンになれば、レーティング(格付け)が進む。その中で生き残るのは、一生懸命きちんとやっている人たち。ShipDCにより、そういう世界がやってくるだ。逆に、いい加減な企業は脱落していく。ShipDCがグローバルプラットフォームであるべきで、ドンドン外部の関係者に参加してもらった方が良い。

IoS-OP は船舶の運航データ等を、提供者の利益を損なわず、ステークホルダー間での共有や、造船会社やメーカー等への利用権販売や各種サービスへの提供を可能とするもの。具体的には海事業界内で合意された「ルール」と、データセンターという「システム基盤」で構成されたオープンプラットフォームである。これにより海運会社、造船会社間でデータを活用したイノベーションに注力し、新しいビジネスモデルを探求することで、デジタル時代における新たな海事クラスターの形をつくり、次世代につなぐことを目的としている。
※さらに詳しく知りたい方はこちらを。https://www.shipdatacenter.com/

明日パート2として対談の模様を引き続きご紹介してまいります。
ご期待ください!

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