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FURO sophy【私の銭湯内周遊の極意】

風呂好きが高じて書き始めた風呂哲学。その名も FUROsophy(フロソフィ)。

風呂が生き甲斐になりつつあるよもぎだが、毎度銭湯で遭遇する湯民達のあれやこれを見物する内に

人間とはなんぞや?
と大それた問いにぶつかって思わず筆を進めてしまうが、

実はよもぎも人のことを揶揄できない程オリジナルな入浴方法を実践している。

スーパー銭湯には様々な癒しスポットがある。

ジャグジー
露天
内風呂
サウナ
水風呂

それらを周遊して最終的に収まりの良いところを見つけて落ち着くのだが

最近のよもぎのリラックス周遊は、身体を洗ってジャグジーに身を沈め、全体をジンワリと温めると

ミストサウナに入り、身体を揉んだりストレッチする。
ドライサウナと違い比較的低温なので身体を動かすことができ、呼吸がしやすい。
大げさな動きをすると目障りなので、あくまでパーソナルスペースは食み出さないようにする。

ミストサウナ内には座禅を組んで瞑想にふける者や、ラジオ体操を始めたりと、よもぎを遥かに超える強者もいる。

よもぎは粛々とかかりつけの整体師ネコラティエ女子に教わった謎のタオル拳法ストレッチを行い、凝り固まった肩首をグリグリ動かして大量の汗を流した後、

露天風呂のベンチで外気浴を行う。
寒空の下、火照った身体から出る湯けむりがモクモクと月に登っていくのを眺めながら、この世の全てを肯定する。

同じ様に穏やかなオジサン達が空を見上げて横に並んでいるので一種異様な光景になる。

その後シャワーで汗を流してドライサウナへ。

再び多量の汗をかいて水風呂へ。

爽快のるつぼを感じたら、
中のベンチでまどろみタイム。
銭湯内のすべての水の音がサラウンドでこだまし大臨場感を味わう。

人によってはサウナ&水風呂のループを無限に繰り返し、ディープリラックスから抜けられない人もいるが、

よもぎはまどろみもそこそこに"寝湯''をしに再び露天にいく。

しかし寝湯は我がホームのスーパー銭湯には残念ながら存在しない。

しかしよもぎは露天スペースにある手前の岩風呂から奥にある岩風呂へ伝う湯の川の流れの中に、ちょうど人が1人寝そべることができる平坦なスペースを見つけてしまった。

それも図ったようによもぎがすっぽり収まる168センチ程の寝そべりスペースなのだ。

この秘密のスペースに寝そべって、背中にかけ流される温泉を感じながら空を見上げて再び天地創造を180度大パノラマで感じる。
これが至極の気持ち良さ。 

視覚を埋める満天の夜空。
湯に半分浸かりつつの外気浴がもたらす前頭部からつま先までの冷感による落ち着き。

なんと言いましょうな。
冷静と情熱の間に挟まれた心が星空の彼方に瞬間移動するような心地。 

しかし頭がズレると岩場の突起物が頭に刺さりそうになり、視覚にザザッと砂が混じるので

初めは頭の下にタオルを敷いて、マイさんを手で隠して寝ていたのだが

手も湯に付けたい衝動にかられ、何度か露天に浸かる湯民の目線に粗末なお供えをすることに。

よもぎはタオルを敷かない努力を続けた。

何度も岩の枕に頭を擦り付けながら、ミリ単位で誤差修正を行い続け、長時間耐えられる頭乗せを可能にした。

タオルはしっかりと前を隠すのに使い、自分は露天湯を取り囲む岩男となったつもりで気配を消す。

この寝そべり行為を銭湯が閉まる30分前の人がまばらになる時を見計らって10分ほど行う。

一度だけスタッフが、よもぎが湯に当たって気絶してるのかと驚き

『あの〜大丈夫ですか?』

と声をかけてきたが、

このスペースに寝そべってはいけない注意喚起ではなかったので、

以来この行為は秘密裏に数十回以上行われている。

こうしてよもぎはすっかり整う。

その後は内風呂、ジャグジーと普通の湯に身体を慣らし

すっかり真人間に戻り何食わぬ顔で銭湯を後にする。

善良な湯民の誰しもがこのようなオフホワイトの領域は存在すると思っている。


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