継続

継続していることは何ですか?

ノーベル賞の季節になった。ノーベル物理学賞は真鍋氏が受賞したが、私は化学が専門なので、本日のノーベル化学賞の受賞者も楽しみではある。ノーベル賞は実際の研究が行われてから、その研究価値が認められ、成果(受賞)に至るまで、極めて長い期間を要することが多い。研究自体も長い期間継続して行い、論文なども継続して投稿し続けて、ようやく価値が認められる。また、受賞にあたって本人が生存中であることが基本条件のために、生き続けるという身体的/物理的な要件も必要になってくる。

ノーベル賞ほど極端な話ではないが、一般的に研究にしてもスポーツにしても、何かを初めてから成果が出るまでには時間が必要となる。間違った行動に関しては、比較的本人も周囲も気付きやすいので修正も効くのだが、存外難しいのは、良いと思われる行動を継続することだ。ここで思われると書いたのは、成果が出ていない段階で、誰もその行動の有効性を判断できないからだ。一般的に良いと言われていても、それが本人の特性や、置かれた環境に適合するかは別問題である。そういった問題がある中で、努力の開始時点から成果が出るまでのタイムラグの期間に、この行動を粘り強く継続できるかどうか。成功の大きな要因を握るのは、結果を信じて継続することだと感じる。(もちろん、あるタイミングで諦めたり軌道修正も必要ではあるが)

今日は部門の期初報告会をしたのだが、その時に上述のようなタイムラグの話をした。ここ一年程度で明らかに課員一人一人や組織としての行動の質が向上していることが確認されている反面、採用の数が目に見えるほどには伸びていなかった。そのため、やや疲弊したムードになってきていたので、今が正念場ということも伝えた上で、出来ていることはしっかりフィードバックし、全体として成長してきていることをリーダーの立場として認めた。もちろん、私自身はさらに上位者から結果を問われてはいるのだけれど、それを正しい(と思われる)行動が伴っているメンバーに投げかけても何も良いことがない。だから、メンバーの良い行動を信じて、継続してもらう。それが私自身の覚悟と信念だということを込めて、報告は行った。

今日一日でどこまで伝わったのかは分からないけれど、こういった姿勢を貫くことで、伝わっていくこともある。だから、この信念を崩さず、私自身、そして組織全体が、成果が出るまでのタイムラグに、粘り強く立ち向かっていければ良いと思っている。一緒に頑張るだけの価値のある仲間達なので、多少の困難があった方が面白いかなと思いながら。

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