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【茶室作り日記】第8回:設計から施工まで−茶室案を作成

鯰組さんのアドバイスを受けて、茶室案の検討を再開しました。
紹介済みの「自慢できる茶室をつくるために」より、茶室の三角関係を整理しました。
これは、茶室の床の間と客の入口(躙口)と亭主の入口(茶道口)を線で結んだ三角形で、鋭角にならないきれいな三角形であれば、使いやすいまとまった空間の茶室になるとあります。

そこで、動かせない床の間や壁を考慮して、案1から案4まで考えました。
なお上座床は点前座から見て右側または正面に床の間があり、下座床は点前座から見て左側または背中側に床の間がある配置です。

8-1_茶室レイアウト検討ー加工済み

案1(左上)は、躙口が床の間の正面、茶道口が床の間に向かって右側で、点前座が右下になり、下座床です
案2(右下)は、躙口が床の間の正面、茶道口床の間の反対側の角になり、上座床です
案3(右上)は、躙口が床の間に向かって右側で、茶道口が床の間の反対側の角になり、上座床です
案4(左下)は、躙口が床の間正面の右端で、茶道口が床の間の反対側の角になり、上座床です

ここで、案3は躙口から床を見ることができない、案4は三角形のバランスが悪く、対象外としました。

案1と案2の見取り図を作成し、次のように比較しました。

8-2_茶室レイアウト案ー加工済


案1見取り図
 長所:躙口の正面が床の間でよく見える、亭主の歩く距離が短い、下座床は遠州流らしい
 短所:下座床は一般的でない、客と亭主の距離が遠い
案2見取り図
 長所:一般的な上座床、客と亭主の距離が近い
 短所:亭主の歩く距離が長い

悩みましたが、茶室初心者として一般的な上座床であり、客と亭主が近いことから、案2を採用しました。
ただこのときは、案2の短所の「亭主の歩く距離が長い」の意味に気がつくのは、自宅で茶事稽古を始めてからでした。

つづく

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