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役員対談 Vol.1 | CEO × COO が語る『介護業界への想い』

こんにちは!イチロウ 採用担当の益田です。
今回は弊社イチロウの代表水野、COO細川の役員対談となります。

イチロウが今後、介護業界をどうアップデートし、どんな未来を作っていくのか。今回はお二人からそれぞれの業界や介護保険外領域に対する「想い」について聞いてみました。

■プロフィール

代表取締役 水野 友喜
専門学校で介護福祉士の資格を取得後、介護士として現場で働く。働いている中で知識の必要性や資格の重みを実感し日本福祉大学に入学、仕事と勉学を両立させ卒業と同時に社会福祉士の資格を取得。その後現場から管理職へシフトし、マネジメント業務など幅広く介護領域での実務を経験。2017年4月、株式会社LINK(現:イチロウ)を設立


執行役員 兼 事業責任者 細川 寛将
株式会社メディカルエージェンシーを創業(取締役/リハビリメディア副編集長)後、 医療法人陽明会にて在宅医療連携部部長、株式会社エス・エム・エスにてセールス事業所長を経て、2023年1月よりイチロウ株式会社 ユーザーエクスペリエンスGマネジャーとして入社。2023年10月より執行役員 兼 事業責任者事業責任者へ着任。作業療法士/保健学修士



出会い〜イチロウに合流するまで

── お二人の出会いについて、まず最初にお聞かせいただけますでしょうか?

細川:元々、おなじ同郷(東海地区)で、私が30歳の頃に施設長をやっていた時に水野さんが私の講演に来てくださったんですよね。そこから定期的に月1ペースで業界関連の情報交換をするようになったのが最初のきっかけでした。

水野:出会った時から、細川さんは業界への解像度が高いことはもちろん、自分にない人脈の広さを持っていました。特にリハビリや医療へのアクセスも持っていたので、細川さんがイチロウに入ってくれたらめちゃめちゃ心強いなって。イチロウで一緒にやれたらいいなっていうのはずっと思ってました!

── そして想いが通じて今に至るということですね。ちなみに細川さんの入社の決め手はどんなところでしたか?

細川:前職が介護医療のDXや人材紹介など幅広く事業展開をしている会社だったんですけど、自分の中で「現場から変えていきたい」という想いがずっとありました。そんな中で水野さんと話を重ねていくうちに、自分のこれまでのキャリアを最大限活かすことができて現場から変えていきたい自身のwillにも合致したところもあり、そのまま入社させていただいたという感じでしたね。

イチロウ創業への道のり

── 水野さんは介護士からキャリアスタートされていますが、そこからイチロウ創業に至った経緯を教えてください。

水野:元々裕福な家庭ではなく、お金って大事だなと10代の頃から思うことが多かったです。そういった原体験からお金稼げる=社長という漠然たるイメージがあり、起業したいという気持ちはずっとありましたね。社会人になって介護士として働き始めてからは、やりたいことで起業するのではなくやらなくてはいけないことで起業しようと思うようになり、ケアマネージャーや老人ホーム紹介など今までの介護キャリアの中で培ってきたものを基に起業しました。

それなりに個人事業主として生活が成立するようになってきたときに、じゃあ次のステップアップとしてやるなら、何かベンチャーとかスタートアップみたいな形で大きなことをやりたいなと思って。そこから「Open Network Lab」というアクセラータープログラムに参加しました。ただその頃は、インターネットで介護業界を変えていく!みたいな漠然としたイメージしか持っていなかったですね。

── なるほど、プログラム参加後から「イチロウ」のサービスがブラッシュアップされたということですね。

水野:そうですね。ただプログラム参加時は”介護業界の課題をITの力で解決する”そんなサービスを作るべくアイディアを色々出してはみたのですが、しっくり来なかったですね。プログラムの最終合宿のタイミングで「介護業界って、慢性的な介護士不足でかつ低賃金のお仕事であることが問題の本質ではないのか。」という指摘を頂き、ハッとさせられましたね。それまでは、カッコよく介護業界のスタートアップとしてITの力で何かやろうという視点しか持っていなかったので、すごく心に刺さりました。

── まさに分岐点ですね、介護保険外という新たなビジネスモデルの必要性について教えてください。

水野:はい、その合宿から「何をするか」ではなく「何をしなければならないのか」という課題ベースで捉えるべきだなと学びました。その中から「年収1000万円の介護士を輩出させる」という視点が生まれました。介護保険というフィルターを通すとなぜだか介護士の給与が低くなるという現実があって、介護士の給与って上げていかないといけないよねという観点から、介護保険というフィルターを通さない「介護保険外」という新しいビジネスモデルを作る必要性を感じました。その新たなビジネスモデルを作ることで頑張っている介護士の待遇が改善され、要介護者の方々にも質の高い介護サービスを提供できるので、これはwin-winの世界を作れるのではないかと思いました。経済的な問題で満足した介護サービスを受けられない高齢者の方に手を差し伸べるという介護の本質的な思想もある一方で、経済的な余裕があるけれど、利用できる介護サービスの選択肢が少ないという一面もあります。そこは業界の課題である負の部分であると感じていました。そこを切り込めるサービスを作ろうということで生まれたのが ”介護保険外サービス「イチロウ」” でした。

『介護保険制度』の課題 と 『介護保険外』の存在意義とは

── 約10年間の介護士としての原体験が「イチロウ」を生み出したんですね。介護保険の課題についてもう少しお伺いできますでしょうか。

水野:介護保険の点数で報酬が支払われることや、介護保険サービスの9割は公費となるため、残り1割の利用者様ではなく9割分を出してくれる行政を見て仕事をするようになるんですよね。私も現場にいた頃は点数稼ぎするための仕事をする方もたくさん見てきました。利用者様の方に向き合わず、どうやったら点数を取れるのか、どうやったらこの介護保険制度の裏を突いて儲かる仕組みを作れるかみたいな、介護の本質とはかけ離れた現状を目の当たりにしていました。給料についてもほぼ一律ですし、書類作成することで売り上げが立つみたいな、これは介護保険における歪んだ構造であると感じました。


── 細川さんの考える介護保険外の存在意義についてお伺いできますでしょうか。

細川:介護保険外というカテゴリは日本の特殊事例だと思っています。介護保険ができた背景としては、核家族から拡大家族へ家族構造が変化し、夫に嫁いだ妻が夫の両親を介護をするという”家”制度みたいなものがありました。ただ今後支えていく人が減っていく中で、この介護領域を社会保障で支えていこうという流れもあり、2000年に介護保険制度が誕生しました。施行されて24年経過し、計8回改定がありましたが、一言で言ってしまえばずっと改悪が続いています。例えば利用者様を元気にすることで要介護度が下がると施設・事業者側の報酬がダウンしてしまうという、頑張った人が損をする構造になっています。そこを補填するためにどこかで無理やり加算を取るなどクオリティコントロールができなくなってしまっているのも現状としてあります。

また先ほど水野さんも話していた通り、頑張った人が損をする構造を是正するためにも介護での需要と供給のバランスに対するプライシングであったり、高いサービス品質を提供できる介護士へ正当な報酬をしっかりお支払いするのがあるべき姿であると感じています。今の介護保険外は亜流と見られていますが、将来的に主流にすることで介護保険内にも還元できることもあると思っています。だからこそ私自身が介護保険内のキャリアから一度外に出てみて、介護保険内でカバーできない方のセーフティネットとして成立させてたいと本気で考えています。介護保険外という市場の認知度をもっと高めていきたいですし、同業者もまだまだ少ないのでそこも増えたらより活気が出てきますよね。一緒に盛り上げていく仲間も増えてるといいなと思ってます!


次回、役員対談Vol.2「イチロウの戦略」について語っていただきます。お楽しみに!