「組織」のリーダシップの取り方をメンバーに示す
リーダーが「こうする」と言っても,成員の中には「私はそうは思わない」という人がいる。集団ではそれは至極当然のことです。
そんなとき,「みんなが納得するまで話し合いましょう」のようなことは,スピード感がなく、おそらく疲労感が漂う結果となるだけです。「起こりがちなすれ違い」で終わってしまいます。世代の違い、立場の違いなどで、それぞれが見えている世界が違うからです。時間をかけて話し合って計画を立てたとしても,その「念入りな話し合い」が自分たちの足を引っ張ることもあります。「計画通り」という「こだわりがこわばりを生む」からです。
◆ビジョンより、リーダーシップの取り方を明示しよう
先日、「WORK・ENGAGEMENT」というテーマで研修会を行いました。
私は,その研修会で、教育関係のへお話しさせていただいた際、「組織を動かす」というGWTと講話をしました。その冒頭で,「みなさんは、リーダーのビジョンを知るより大切なことがある。」ということを話しました。
私は、リーダーは、’ビジョン’より’リーダーシップの取り方’をメンバーに示すことに尽きると思っています。メンバーが主体的に行動しようとしても,それがやりにくいリーダーと,やりやすいリーダーがいます。その違いは「リーダーシップの取り方」をメンバーに伝えているか,伝えていないか,また,責任を取るタイプなのか,押し付けるタイプなのか、それらでメンバーの主体性は左右されます。
「リーダーシップの取り方」を説明していないと,メンバーが何かを取り組もうとしたとき,主体感,スピード感,達成感,協力感,前向き感など味わうことはできません。
◆ミドル・アップダウンマネジメント
私のリーダーシップは,これまでも言ってきましたが,「サーバントリーダーシップ」~支援型のリーダーシップ~です。意義や目的などの方向感を共有、周知したうえで、取組の権限や責任をそれぞれのリーダーに担ってもらうようにしています。(もちろん私が最終的に決済するべきことや、責任を担ったりしなくてはならないこともあります。)チャレンジが認められると,自律分散型のチームに成熟していきます。特に,主任やミドルリーダー、各プロジェクトチームのメンバーがやってみたいことは,まずはやらせてみる~ミドル・アップダウンマネジメント~という形です。
学校行事の運営の場面での例として,「修学旅行」を挙げてみます。
業者選定は,該当学年が,複数の業者(今回は5社)のプランから選ぶ形に変更を決めました。「こんな修学旅行にしたい」という学年の主体的な考えを実現するために、学年自身が考えたものです。自分たちで考えることで,ほかのいろいろなプランを知ることもでき、今後のレパートリーを増やすことができ、学校行事の運営を考える視野が広がりました。
もしかしたら失敗することもあるかもしれないが,多くの先生が経験を手に入れることができます。~生産的失敗~と考えれば、それはそれでいいのです。「成長はたし算」です。ミドル・アップダウンマネジメントでないと持続可能な学校運営にならないと思っています。
◆マスターマインドグループ
また、~マスターマインドグループ~をつくってチームで取り組んでほしいのです。「マスターマインドグループ」とは,「明確な目標を達成するための2人以上の複数の人たちによる,調和された知恵と努力の協力関係」のことです。マスターマインドとはナポレオン・ヒルの成功哲学用語です。
誰かと協力できると,個では成し得ない結果を得ることができます。だから「私はこうしたい」と一人で主張するよりも,「私たちはこうしたい」と小さくてもチームで動くことが大切だと思います。どんなに優秀な人でも一人で何かをやるより、チームで何かを成し遂げることの方が、結果だけでなくその過程にも大きな成果を生みます。
私は,必ずそれを応援します。同じ目標をもつ仲間をつくって前に進もうとしているだけで、すでによいスタートをきっていると思うからです。
リーダーもメンバーも主体的に取り組むことができ,この主体性の総和が,「組織」であり、「チーム」です。もし誰かに助けてもらったら,その人のよさを実感し、また、その逆もあります。お互い様がいい、それが人間関係です。助けてもらったら,今度は自分が「助けたい」というマインドになると思いますが,助けることができなくても,ただその人のよさを感じることができただけでも、その人やチームにとって意義があると思います。
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