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赤提灯の魅力 - 酒×コミュニケーション -

こんにちは、焼鳥です。
突然ですが、みなさんは赤提灯系の居酒屋は好きでしょうか?
私は"嗜む"程度に好きです。(だいたい呑み好きの人は"嗜む"を使うと私は思っています)

赤提灯との出会い

私も最初から一人で赤提灯の居酒屋の暖簾をくぐったわけではなく、20代前半に大学のOBさんに連れて行ったもらったことが最初だと記憶している。
お世辞にも綺麗とは言えない内装であり、メニューは短冊に手書きし壁一面に貼られていて、初見ではどこに何があるのか分からない上に商品イメージもないので頼むのに困ったことを覚えている。

赤提灯の温かみ①

数年すると、そのお店にも一人で行けるようになり、マスター(経営者)、看板娘(おばちゃん:このお店の実質的な権力者)、料理人みんなと仲良くなり、営業終了後に従業員が賄を食べている時間まで残っていることもあった。一人で来ているからだろうか気にかけて話しかけてくれたり、よく分からないオーダー(美味しいものください)にも応えてくれた。
大学の近くにあったこともあり、諸先輩方から後輩に脈絡と引き継がれていたのだろうか、比較的若い人が多い場所であった。
(これは2階の座敷の話であるが、1階のカウンター席は学生が入れなようなディープな雰囲気を漂わせていたことは別の機会に書こうと思う。)

赤提灯の温かみ②

20代後半、一人暮らしを始めたとき、家から200メートルくらいの所に赤提灯が幸いにも明かりを灯していた。次の引っ越しをするまで6年程度お世話になった店である。
一人で飲み屋に行くことにさほど抵抗もなくなっていたので、特にビビることもなく暖簾をくぐってお店に入る。少し強面のマスターと綺麗なママさんの夫婦で営業をしていた。通っているうちに少しづつ顔を覚えてもらい、若かったこともあったのか、常連さんからにも興味を持ってもらえるようになった。
おつまみをお裾分けしてくれたり、お酒をご馳走してくれる80代の女性が最初の友達であった。お店の前に団地があり、そこの住人(割とご年配の方)が常連の多くを占めている。数年通うとカウンターに座る常連さんはほぼほぼ顔見知りな状態になり、お店に行けば誰かいる(友達がいる)という状況になった。マスター・常連さんと釣りに行ったり、閉店後にマスター・ママさん・常連さんでスナックに行ったり、マスター・ママさん休業日に飲みに行ったり・旅行に行ったりなど、濃いコミュニケーションを経験できた。
こんな素晴らしいお店にも課題はあり、若いお客さんが滅多に来ないことであった。(今でも常連最年少を私がキープしている気がする。)

私の想い

酒を交わせばそこにはコミュニケーションが生まれ、お互いそれぞれでは持っていないものを教授(循環)することでき、それはときに化学反応を起こし、良い関係を築けると思っています。
そして、多種多様な人間が集まってくる場所で敷居が低いのが赤提灯系居酒屋だと思っています。(経験上、良くも悪くもいろいろな人が集まり易いところだと思っている)
ぜひ、若い人たちにも赤提灯系の居酒屋に足を運んでもらい人間関係の輪を広げていって欲しいというのが私の想いである。しかし現実では下町のような赤提灯には若者はいないと感じている。何か解決できる妙案はないかと思考を巡らせているが、今のところは思いつかない。。。


「酒 × コミュニケーション」

ここからはちょっと市場調査(マーケティング)。
赤提灯を主たるサービスとしているものはどうやらなさそうであった。
もう少しキーワードを緩和して、盃を交わすことをベースとする出会いやコミュニティー、コミュニケーションが発生するサービスや事例を調査してみた。

KANPAIHütteCareer

経営者や人事とぶっちゃけトークができる就活コミュニティサービスを提供している。
協賛企業からの支援で成り立っているサービスであり、学生の利用は無料となっている。学生は無料で就職活動の相談ができ、企業は学生と直で繋がることができ個を重視した採用斡旋が可能である。
サービスのコンセプトは「バーでたまたま横に座った”大人”と話しているような感覚で仕事や就活の相談ができる場」であり、上辺の会話ではなく、本音で語ることを重視している。本当にお酒を交わしながらのラフな会話もOKとなっている。会社にはバーカウンターも設置している。

【良い点】

  • 多数の協賛企業(コンセプトに共感している企業が多くいる)

  • 学生、企業双方がwin-winになるサービス設計がされている(登場人物全てが恩恵を受けられている)

【見習う時の注意点】

  • パトロンとなる企業または支援者が必要(共感を生まないとサービスが維持できない)

  • 当サービスの対象は学生(ターゲットが異なる点に注意)

「まちのスナック」@鎌倉

「まちのスナック」では、鎌倉を中心に地域に関心のある人などが、”ママ”や”マスター”として日替わりでお店に立ちます。また、フードは他店からテイクアウトするなど、お客様や周囲の飲食店と協力し合いながら運営する「鎌倉を愛するみんながつくる、気軽な夜の談話室。」がコンセプトです。
鎌倉在住の方はもちろん、観光客や鎌倉に関わりたい人が、世代を超えて交流できる場として、外にひらかれたスナックを目指すことで、鎌倉のコミュニティ活性に貢献してまいります。

https://www.kayac.com/news/2022/08/machino.snack

【良い点】

  • 単にお酒を飲む場所だけではなく、世代や価値観を超えたまちの人たちがつながり、暮らしの拠り所の場になればとの思いに共感した。(「酒 × コミュニケーション」の成功事例と言える)

  • SDGsへの取り組み や 電子地域通貨(鎌倉市独自の通貨)をサービスに取り入れて、環境へ配慮しながら地域活性化に繋がっている(サービスを利用してもらうことで数珠繋ぎでコミュニティが活性化するアイディアが詰め込まれている。環境への配慮にも繋がるサービスもあり、利用者の行動のきっかけを後押しできている)

【見習う時の注意点】

  • ハコもの、日替わりマスター・ママが必要(実店舗、マスター・ママが必要であり、賛同者や協力者なくしてはサービスの提供・維持が難しい)

  • スケールが壮大(一個人ではやれることに限りがある)

ノミトモ

ノミトモは、「一人で飲むのは寂しい」「一緒に飲みに行く友達がほしい」
そんな方同士を繋ぐ、マッチングサービスです。

https://nomi-tomo.net/
サイトより

【良い点】

  • 機能が豊富(飲み友募集/飲み会参加機能はもちろんのこと、飲み会成立後のメッセージ送受信機能、会員ユーザ同士のコミュニケーションができる掲示板もあり、飲み会だけを開催する機能ではなく、コミュニケーションが取れる機能も実装していて一期一会とならず、コミュニティー形成の一助になっている)

  • アイディアが斬新(コミュニティーには参加するものという意識が潜在的にあったが、コミュニティーがないなら自身で作ればいいという発想に共驚いた)

【見習う時の注意点】

  • 利用用途(飲み会開催の目的)が多岐に渡る点で、ただの合コンツールにもなり得るので、コンセプトが広すぎるとニッチなユーザに響かない可能性がある)


大切なのはコンセプトへの共感とサービスの循環!

以上、3つのサービス・事例を紹介し、自分なりの評価をしてみました。
もし自分がサービスを作るなら、万人受けや収益性に特化したものではなく、コンセプトに共感して協力したい・使ってみたい!と思ってもらえるようなものを作りたいなと思いました。また、サービス利用が単発で終わらず利用することで新らな循環が生まれるような設計を心掛けたいと思いました。

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