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2021年のQoR(Quality Of Roast)を上げてくれたこと3つ

 2021年焙煎で気付いた3つのことをまとめておきます。焙煎機を持っている方、片手鍋でも簡単に試せるものもあります。

クリーンな味づくりを排気性能を上げて実現

  1分間にドラム内の空気が全て入れ替わる強制排気能力+αがあるとスモーキーな味が付きにくいことが分かってきた。 ドラムの体積は大体3.6m^3※1のため 弱時の240m^3/h程度の排気能力であれば1分間でドラムの体積全体の空気が入れ替わって少し余る程。

 FY-24BM6Kの時はスモーキーな味が付く場合とそうでない場合があったため、排気能力がギリギリだったのかもしれない。1ハゼ中は排気を強めたいが216m^3以上に上げられない課題もあった。
 また専用品ではないため換気扇の能力を100%排気能力として使えるよう配管できていなかった。しかし今回は接合部にゴムマットを挟み、限りなく漏れを防ぐことで損失なく排気能力につなげられる構成にした。

 結果、排気能力に余裕ができ、焙煎度を深くした時もクリーンな味で出せる。更に豆の冷却時間を短くでき、狙った焙煎度合いですぐに冷却し止められる。

※1 本体奥行20cm、ドラム直径15cm、176.625cm^2×20cm≒3.53m^3

買替前の換気扇風量 216m^3/h
買替後の換気扇風量 240m^3と350m^3

豆の栽培地に合わせた適切な焙煎度合いを選ぶ

 エチオピアゲイシャの浅煎りからグアテマラへの切替で苦戦した。浅煎りで仕上げて酸味がキツイく難しい豆だと誤解していた。冬になると何故か深めの珈琲が飲みたくなり試しに中深煎りにすると酸味が落ち着きバランス良く焼けた。

 生豆販売のWebページの中には親切に推奨焙煎度合いを書いているページや、自社で焙煎豆も販売している店がある。それらを見るとやはりグアテマラは中深煎り~深煎りで焙煎されていた。

 加えて「THE STUDY OF COFFEE」のp68「各生産国の生豆の適切な焙煎度を知る」を参照すると、グアテマラはシティロースト辺りが最適とある。

1ハゼに緩やかに着地する火加減で整える

 1ハゼのパチパチ音の間隔が早すぎると焦げた味になりやすいことが分かってきた。様々なテキストにも書いてあるようにパチパチの音はある程度ゆっくりにしたい。(温度上昇を緩やかにしたい)
 今までは「1ハゼが始まったと同時に火を弱めRORを落としてから1ハゼ終わりと共に再び火を入れて2ハゼに向かう。」流れを取っていたが、火加減のコントロールが難しかった。特に再び火を入れるタイミングと強さが難しく、焙煎ムラに繋がりやすかった。

 1ハゼに向かって例えば1分ごとに火加減を少しずつ落としていき、緩やかに1ハゼ(この焙煎機の場合182℃)を迎えられるようにコントロールする。すると1ハゼに入った途端に急激な火加減調整をせずに済み、排気のコントロールだけで2ハゼに向かえる

 味の方はネガティブな味わいが無く飲みやすい。例えばスモーキー、渋み。何より、RORを緩やかに右肩下がりにできるのは「The Coffee Roasters COMPANION」の基本的な良い焙煎の考え方に沿っている

まとめ 

 道具の性能が揃っていない中、要因を切り分けながら色々試してみる楽しさがあった。安定して焙煎できるようになり落ち着きつつある。直近の残課題は排気のチャフを分けるチャフコレクターがないこと。サイクロン式のチャフコレクターを購入して間に挟むことで対処できないか検討してみるつもり。
 嬉しいことに1.6kg/月のオーダーを知人から頂いたので、2022年は1回の焙煎量を250gから300gに上げても同様の味が出せるように工夫していきたい。

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