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生まれたての赤ちゃんを抱いて泣いているママへ

次男の授乳をしながら窓の外を見たら、
空が青くて綺麗で。

「いい天気だねー」
と声をかけて。

あぁ、長男のときもこんな空を見たな。

そんなことを思った。


あの頃はもう、
何をどうすればこの小さな命を守れるのかと必死で。
いつも暗闇の中にいるような気持ちで。
泣いてばかりいて。

でも、こんな空を見てたな。

外気浴をさせようと家の外に出て、
ほんの数分だからパジャマにすっぴんで日焼け止めもしてなくて、
「いい天気だねー」と声をかけても「そうだね」とかえってもこない小さな生き物を抱いて。

ゆらゆら、ゆらゆらと揺れながら、
青い空を見てたな。
たまに吹く風に「気持ちいいね」なんて言いながら。


ベビーカーに乗せて、
毎日お散歩も行ってたな。

初めて押したベビーカーは思っていたよりもずっと押しづらくて、
優雅に見えてた先輩ママたちはいつも大変だったんだな、なんて思ったな。

曲がり角を曲がる度に日差しが当たらないように幌を調整して、
庭先に季節の花が咲く家の前を通るのが好きだったな。
「桜が咲いたら見に行こうね」なんて言ってたな。


必死すぎて、
一年の記憶がほんとにない。

そんな風に思ってた。

最初の三ヶ月は、
可愛いなんて全然思ってなかった。

夫に、
「よく可愛いって思えるよね」
って言っていた。

だけど、
溢れんばかりの写真は
あの時の私が感じた「可愛い」の瞬間で、

育児書に書いてあるような
お散歩をして、手遊びをして、絵本を読んで。
そんなことを
ただただ責任感にかられて一生懸命にやってただけ。

そんな風に記憶していたけど。
決して無感情でやっていた訳ではなくて。

そこにその時の私の精一杯と、
可愛くて大切で大好きだよという気持ちと、
返事もしない長男に話しかけながら眺めた
空の青さがあったんだ。


今日、次男の授乳をしながら眺めた空を見て、

長男と過ごしたあの時も、
そこにしかなかったあの瞬間を
しっかりと味わいながら生きていたんだと。

そう思えて。


良かった、って、
思った。

余裕がなくて、
精一杯で。

愛情いっぱいに、
可愛い可愛いと言いながら育てられなくて。

ごめんね、って。

ずっと後悔があったから。


だけど、
ちゃんと可愛いはあったよ。
ちゃんと二人で過ごした忘れ難い記憶はあったよ。

そう、
あの時の私に言ってあげたい。

だから、
大丈夫だよ、って。

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