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本能から派生した欲望を、社会が求めるものに転換させる

いつもお読み頂きありがとうございます。
Enjin代表の本田幸大(@kohdai_enjin)です。みなさまのお仕事や健康のお役に立てればと、noteを執筆しています。

昨今、巷で「ありのままでいよう!」「自分らしく生きよう!」といったフレーズをよく耳にしないでしょうか?

とても聞こえの良い言葉なので、ついつい何も考えず賛同してしまいそうですが、しっかりその意味を考えてみると具体的にどんな生き方かまではわからない、という人もいるかと思います。

ありのまま・自分らしくとはどのような意味でしょうか?

私なりに考察してみましたので、共有させて頂きたいと思います。
※私見も含みますので、悪しからずご了承ください

▶本能を知る

「ありのまま」を考えるうえで、まずは私たちはどのようにしていま存在しているのか?という根源的な視点で考える必要があります。

私たち人類の歴史はとても長く、遡ると700万年~600万年前ともいわれています。そのなかで様々な環境に適応しながら人類は生存し続け、現在に至っているわけです。その過程で人類の脳や細胞にまで深く遺伝子レベルでインストールされてきた、行動のもとになる性質があります。

これを「本能」と呼びます。

本能については多くの研究がされているので、どれが本能かは諸説ありますが、たとえば日本で100万部を超えるベストセラーとなった「FACTFULNESS」では、人間が持つ10の本能を以下のように紹介されています。(石器時代に形成された本能もあれば、近代に形成された本能もある)

【分断本能】「世界は分断されている」
【ネガティブ本能】「世界はどんどん悪くなっている」
【直線本能】「世界の人口はひたすら増え続けている」
【恐怖本能】危険でないことを「恐ろしい」と考えてしまう
【過大視本能】「目の前の数字がいちばん重要だ」
【パターン化本能】「一つの例がすべてに当てはまる」
【宿命本能】「すべてはあらかじめ決まっている」
【単純化本能】「世界は一つの切り口で理解できる」
【犯人捜し本能】「誰かを責めれば物事は解決する」
【焦り本能】「今すぐ手を打たないと大変なことになる」

FACTFULNESS(ファクトフルネス),2019/1/11,日経BP

これは一例ですが、上のように私たちの価値観形成には「本能」という遺伝子レベルで刷り込まれた覆せない事実が関係しています。だからこそ私たちは"本能的に生きる"ことについて考える必要があると思います。

▶本能的に生きる

では一体、本能的に生きるとはどういうことなのか?

世間では、「本能のままに生きては危険」という意見もあれば、「本能のままに生きる方が幸せ」という意見もあり、立場もさまざまでしょう。
この議論で言うと、私の立場は<後者>になります。

しかしここで肝心になるのが、本能と欲望は区別した方が良いということです。

違いをわかりやすくいえば、
「DNAが喜ぶ生き方(本能)」「脳が喜ぶ生き方(欲望)」です。

ただ、これら2つは全く別物ではなく、本能が欲望に変化していくのです。たとえば、"子孫繁栄"の本能が転じて、"モテたい"という欲望になっていくようなイメージです。

▶本能に抗わない生き方

このような話でよく言われることは、男性は狩猟をしてきたDNAがあり、女性は家を守り採集をしてきたDNAがあるという話です。これが転じて、男性は外で働いて稼ぎ、女性は家庭に入って家を守るという価値観として古くからインストールされています。

この性質形成は、ジェンダーレスが訴求された2000年代ごろから現在に至るまでの数年に比べると遥かに長く、何世紀も根付いている本能です。実際に生物学の世界でも男女差は存在し、それは遺伝子でも決定されているという研究もあります。

※出典:国立研究法人科学技術振興機構https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/49/1/49_21/_pdf

その点も鑑みると、ジェンダーレスが主流となっている今の時代には少しそぐわないかもしれませんが、【男らしさ、女らしさ】または【父性、母性】から降りた先に、何があるのか?と未来予測した方が良いと考えています。

それは、本来人間にインプリメントされてる本能に沿った生き方をした方が、DNAレベルで自己肯定感を高めやすいからです

男性でいうと「仲間を守る、嫁子どもを守る」みたいなマインド、女性の場合は、「大切な人に美味しい料理を作ってあげたい、家族が笑顔で健康でいれるように家庭を整える」などの考え方です。

古い考え方かもしれませんが、個人的には古風な価値観がしっくりきています。

▶「社会性」も包含して考える

平成から令和に変わり、ますます時代の変化スピードを感じている方も多いと思います。この時代の変化に伴って作り上げられる価値観を「社会性」といいます。これは、地域や民族によっても異なります。

先ほど「本能のままに生きる方が幸せ」という意見に賛同と申しましたが、ここには「社会性」の側面も無視はできません。

たとえば、いまの社会性を無視して本能のままに生きると、社会から追放されて、逆に生き辛くなってしまいます。不倫報道をきっかけに引退をしたタレントなどがその例です。本能レベルで言えば、子孫繁栄の行動と捉えることができますが、現代社会ではタブーとされているので、このような結果を招くわけです。

しかし、あまりに社会性ばかり重んじると、本来遺伝子が喜ぶ生き方ができなくなってしまいます。

つまり、本能・欲望・社会性を全て加味したうえで生きることが大切であり、どれかに偏りすぎてしまうと一気に生きづらくなってしまったり、社会から排除されてしまったりするのです。

この、バランスが非常に重要です。

先ほどの話でいえば、「仲間を守る、嫁子どもを守る」みたいな男性に備わっている本能的マインドをいまの社会においてどう実現するか?という観点でみる必要性があります。

▶欲望を転換させる

人間は欲望を追求して生きています。

先ほど述べた通り、欲望は本能から転じています。
そして私たちは、本能を備えて生まれ、欲望を抱き、社会の中で生きています。

ここを理解すれば、時代に合わせた欲望の追求ができます。

いまの世の中は「ダイバーシティが重要」という時代です。昭和は、「もっと社会規範に則って生きよ」という時代でした。このように時代や環境によって風潮は変わっていきます。

本能からくる欲望は誰しも持っているものです。
その点を理解しながら、自分の欲望を社会の求めているものに転換させる力が快適に人生を過ごすうえで重要です。

欲を持つことを恐れず、正しく行動ができれば、楽しさ、嬉しさに溢れた人生を全うすることになるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社Enjin 代表取締役社長 本田幸大
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