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~第145回~「八雲紋と須佐之男命」

「天岩戸」や「八岐大蛇退治」などの神話に登場する神様として全国でその名を知られる須佐之男命。

武蔵一宮氷川神社は須佐之男命を主祭神にしております。 その氷川神社の神紋(社紋)は須佐之男命に由来する「八雲紋」です。 「八雲」は、八岐大蛇を退治し、須佐之男命が稲田姫と結婚された時、出雲の根之堅洲国にある須賀にて詠んだ御歌

「八雲たつ 出雲八重垣 妻籠み(つまごみ)に 八重垣作る その八重垣を」(『古事記』上つ巻・『日本書紀』巻第一神代上第八段)

に由来しております。

八雲紋は須佐之男命を象徴する紋ゆえに武蔵一宮氷川神社の神紋なのです。 ところで、昭和5年(1930)に誕生し、日本とアメリカを繋ぐ船として太平洋を何度も横断した「日本郵船 氷川丸」にも八雲紋があります。

「なぜ船に八雲紋が?」と思われるかもしれません。

実は氷川丸は氷川神社と関わりが深い船です。 氷川丸という名前は、その名の通り武蔵一宮氷川神社から名付けられました。

そのため船内の神棚には氷川神社の御祭神が祀られ、船内の装飾には氷川神社の神紋「八雲」が用いられているのです。

また、氷川丸の階段の手すりに装飾として用いられている八雲紋は上下さかさまになっております。

意図的にそうしたのか、間違えたのかは今も謎のままです。 その八雲紋の由来となっている須佐之男命の御歌は日本で初めて詠まれた和歌です。

須佐之男命は言葉を歌にすることを私たちに授けてくださった神様であり、想いを言葉に載せて相手に届けることの大切さを教えてくださった神様でもあるのです。

その須佐之男命に守られた氷川丸もまた、さまざまの想いを抱く人々を乗せて海を越え、外国へと届けました。 最後に八雲紋の模様について。

武蔵一宮氷川神社の八雲紋は真ん中に神池の水草蓴菜が描かれています。

口伝によると見沼の水源を守る武蔵一宮氷川神社ならではの模様。

各地の氷川神社は巴紋が多いのですが、八雲紋は武蔵一宮氷川神社のみ。

氷川神社の総本社だからこそ許された神紋です。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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