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~第223回~「玉串の話し」

神社は様々な自然の恵みと共に在ります。
例えば、神社でお供えされている植物の葉。
参拝の折に見たことがある人も多いかもしれませんが、これは玉串(タマグシ)といいます。

常緑樹である榊(サカキ)を使うことが一般的で、地域によっては様々な常緑樹を使いますが、常に青々としている榊は生命力や繁栄の象徴と考えられてきました。

玉串は神前にお供えするものとして、神饌(神様にお供えする飲食物。米・酒・魚・野菜・果物・塩・水等)と同様の意味があると考えられていますが、神饌と異なる点として、玉串拝礼という形で自らの祈りを込めて供え、お参りをすることが挙げられます。
また、玉串を捧げることについては『神社祭式同行事作法解説』(神社本庁編)に、「玉串は神に敬意を表し、且つ神威を受けるために祈念をこめて捧げるものである」と説明されております。

玉串の語源には「手向串」「霊串」など諸説ありますが、この玉串の由来は、神籬(ヒモロギ)とも関連して『古事記』の「天の岩戸隠れ」神話にあります。

この神話は氷川神社の主祭神、須佐之男命(スサノオノミコト)が高天原で乱暴をはたらいた結果、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が岩戸に御隠れになった際の神話です。
この時、神々が行った祭りでは真榊に玉や鏡などをかけて、天照大御神の出御を仰いだことが記されており、これが玉串の由来の一つです。

玉串の榊については地域、神社によっていくつかの樹木が使われます。
奈良の春日大社の春日若宮御祭(12月)では御旅所まで出御の際、神職等はナギの木を捧げ持って神霊を囲み警蹕をあげながら下ります。
東北や北海道など榊が育たない地域ではイチイ(オンコ)や椿、杉、檜等が使われました。
海外で神道の儀式を行う場合、榊がない地域ではベンジャミンの木を用いた事例もあります。

神社の祭りには、自然の恵みが地域ごとに息づいております。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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