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私のマザー・コンプレックス

私は男性を見る目がない。

本当にない。どのくらいないかと言うと、3回結婚して3回失敗した上に、推している男性アイドルですら必ず変なスキャンダルを起こす。

私が選ぶ男性は、100%の確率で何かしら難がある。

◆親から貰った愛情があれば、クズ男問題は何とかなる

難がある男性は、殴る、嘘をつく、借金がある、謎の束縛をする、税金を払っていない、コミュニケーションが出来ない、女性を人間として見ていない、などの問題行動を起こす。

私の「彼氏」は、大体いつもこんな感じだった。けれどそれで特にひどく男性不振になったり、人付き合いをやめたくなるような事はなかった。

「私のこと大切に出来ないなんて、この人なんかおかしいんじゃないの?」くらいに思っていた。

これは私が、「彼氏」以外の部分でとても大切にされて生きて来たからだと思う。私は、両親に可愛がられ、蝶よ花よと大切に育てられた。

「大切にされる」状態が普通であるため「大切にしてくれない」男性に対して、おかしいと感じる。

◆生きて行くのに必要な才能とは?

もちろん、男性に嫌な事をされると傷つく。傷つきはするが、立ち上がりが異常にはやい。回復力が高いのだ。

大体次の日には「まー、いっか。次だな」という気持ちになっているし、3回も離婚したくせに結婚という形をちっとも諦めず「王子様はまだかなぁ」と、道行く男性を眺めていた。病気か

傷ついてもすぐに回復する、どんなことでも大したことはないと考える。目の前で何が起きても、自分の存在というものが揺らぐことはない。

これは両親が後天的に与えてくれた、才能だと思っている。生きて行くのにとても大切な才能だ。この才能は、恋愛に限らず、仕事や友人関係すべてに有用である。

◆私のマザー・コンプレックス

さて、ここで本題に入る。

私は両親に貰った愛情と言うバトンを、しっかりと子供達に繋げられていないと感じている。

特に第1子に関しては20歳の時に産んだので、当時私自身がまだまだ子供だった。子供を産んだら自動的に、母のように優しくて明るくて、子供に好かれる母親になれると思っていた。全然なれなかった。イライラするし、思ったよりトラブルの方が多く、手放しで可愛がるのは難しかった。そして、子供側も私の事をそんなに求めている感じもしなかった。何より私は、父のような男性を見つける事が出来ず、結婚と離婚を繰り返してしまった。

「産んだからって母親になれるわけではない」という事を知ってしまったのだ。

これは私にとっての、大きなマザーコンプレックスになった。

◆マザーコンプレックスの解消のために

現在私は、マザーコンプレックスの解消のために、以下の事を実践している。

①子供を褒める。息を止めてでも褒める。

両親に実際にしてもらって、本当にありがたかったことだ。ベースに「褒められて育った自分」があるということは、いつか必ず自身を助けてくれる。

私はどうしてか他人を褒める事が難しく、子供を褒めようと思うと息を止める事になるが、そうしてでも実践するようにしている。

②子供の性質を知る

子供にとって難しい事、得意な事を把握するのはとても重要な事だ。なるべくジッと観察するようにしている。

昔、姉はよくダイエットをしていた。そんな姉の陰で母との間にこんな会話があった。

私「食べなきゃいいのに、なんで食べるんだ」←性格悪い
母「あなたは小さい時から食事を出してもちっとも嬉しそうじゃなかった。お姉ちゃんはいつも嬉しそうで、本当に食べる事が好きなんだと思う。好きの度合いが違うんだから、あなたが食べるのをやめるのと、お姉ちゃんが食べるのをやめるのとでは、わけが違う。そんな事お姉ちゃんに言ったらだめ」

大人になってから、ふっと思い出した。子供一人ひとりの性質を知るというのは、こういう事だ。

③友達親子でいい

若くして母になってしまった為に、子供たちとは友達同士のような感じになってしまった。それは私の理想とは少し違う。

けれど、その形を認めてあげる。「母親と自分」「自分と子供」は、また違う形なのだ、と言う事を認める。

妥協ではない。それもまたいいのだ。

◆目標とすること

目標は、やはり母である。子供達が社会に出て、どんなに傷つこうか、悲しかろうが、人生に絶望しようが「帰る場所」でありたい。そして子供達自身が、高い自尊心と、強い自己肯定感を持ってほしい。

例えば変な男に騙されても「なんでこの人私の事好きじゃないんだ?私の価値わかんないのか?」と、図々しく生きてほしい。

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偉そうにツラツラと綴ってしまったが、私はまだまだ全然マザコンの途中だ。解消されるまでの道のりは長い。

けれど、出来れば楽しく解消したい!と言う思いを込めて、このnoteを記す。

おわりに

『マザー・コンプレックス』という小説を書いたので、そちらも良かったら。 

あらすじ 江本加奈は、夫の誠也と息子の優と共に暮らしていた。優は幼い頃から手のかかる子で小学生に上がってからも育てにくい子だった。誠也は育児に協力的ではなく、家庭の中でも加奈は極力関わらないようにしていた。ある日、優が万引き事件を立て続けに起こす。追い詰められた加奈は、衝動的に誠也を殺してしまう。何故、私たちは、生き辛いのか。

※20200331公募に出すため非公開にしました。

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