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「地球からの反射で照らされた月」コロナ禍のウォルフガング・ティルマンスの表現/一日一微発見231

この一年半ほど全く海外へ渡航できない。こんな事はこの30年間で初めてのことだ。

しかし、だからといってクサるわけではないし、この時期にやれる事はある。

そして、他の「気になる人」が「何をやっているか」を知る事はかえってスリリングですらある。

この数日、大学でのアートの授業のために調べていたら、ちょうどロンドンでヴォルフガング・ティルマンスの展覧会「Moon in earthlight」がギャラリー、モーリーン・ペイリーで始まっているのを知った。

もともとティルマンスはイギリスに住んでいる時からこのギャラリーで個展を始めていて、僕も90年代に彼の展覧会を見たのもここだった。

しかし、今回の場所はモレナ・ディ・ルナという名の邸宅跡で、ホワイトキューブのギャラリーではない。
これは2017年に開廊された新しい場所で、まるで人が住んでいる場所のまま、展示が行われているのだ。

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