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進化する編集③インタビューにおける「速さ」「深さ」「オープンネス」の技法について/一日一微発見422

編集をしていて思うのだが、「同一性」(これとあれは似ている)というアナロジーのはたらきを使いつつも、同時に「ズレ」を使っている。
構造主義も精神分析学も、アーキタイプのようなものものへの追求に向かうが、僕の感覚では、編集はそれ以上に、差異やズレを重視する。
あるやなしやの「本質」には向かわず、エンドレスなズレを選択するのである。

いや、瞬間的に「本質」に達しても、それは瞬間成立したに過ぎず、それをすぐに手放すと言った方がいいかもしれない。
キャッチ&リリース。理解したら忘却する。所有したら放棄する。体系化よりアナーキー。完成したら白紙化。統合より分裂。集中するより分散。調和より矛盾を。自閉より接続を。

価値を生み出すときに人は、「同質性」か「異質性」か、そのスイッチを入れ進むが、僕は異質への道を編集だと思っているのだ。
その判断の直観はどこからくるか?

僕は高校生のときからアーティストの赤瀬川原平が好きだったが、大人になって赤瀬川さんにインタビューした時に、彼が僕に、気に入ってる小林秀雄のコドハなんだよと、教えてくれたことがある。

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