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アートの秘密を説きあかすこと(備忘録として)/一日一微発見163

僕はクライアントが、いようがいまいが編集物を作ってきた。

いないときには、自分でパブリッシャーを立ち上げてインディペンデントにやればよいという判断は、京都で大学生の頃にやっていたエディション・ アルシーヴ(雑誌『ソムニウム』や単行本)の時からのものだ。


「金がない」とか、「企画が通らない」からできない、とか「世の中に受け入れてもらえない」とかいうのは、作らない理由にはならない。やりたければ、どんな手を使ってもやれば良い、というのが僕の変わらぬモラルである。

よく言う話だが、僕は「編集者」という仕事に「就職」して編集者になった、とはまったく思っていない。見よう見まね、独学でやってるうちに編集者になったようなものであって、だから幸福にも、編集者を退職することもないのである。

今日も、親友デザイナーの林修三と一緒にNEOTOKYOZINEの編集をやりながら並行して、ファッションブランドのミハラヤスヒロが発行する『DOIROBUTA』や光村推古書院から来春出す単行本のエディットをした。
光村からの単行本は「アート戦略2」でタイトルを「アートの秘密を説きあかす」とつけた。「解き」あかす、ではなくて、「説き」あかす。

この本は「コンテンポラリーアート対話篇」がサブタイトルで、僕がインタビューした60人近いアーティストとの邂逅が、様々なスタイルのアートライティングで構成されている。
タイトルの中にも「秘密」というコトバを使ったが、そのことの大切さについて思い出したので書いておきたい。
それはなぜ僕がインタビューをたくさんしてきたかという理由とも関係しているからである。

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