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多和田有希『THEGIRLWHOWASPLUGGEDIN』/目は旅をする020(私と他者)

多和田有希『THEGIRLWHOWASPLUGGEDIN』
NEOTOKYOZINE/ G/P+abp

多和田有希は、写真を表現メディアとして選択しているが、彼女が歩んでいる道は、従来の写真史から見れば、遥かに逸脱しているように思われるかもしれない。


まず、彼女が大学で学んだのは微生物学だった。
その時彼女は目覚める。
見えないものをヴィジュアライズするのが写真であるということを。しかし彼女が科学・生物学から写真、現代美術へシフトしたように単純化することも間違っているだろう。

例えば、彼女は写真をハンダゴテで神経細胞状に焼き切ったりするが、そのようにして生み出される写真には、セラピー的な効果や、変成意識への拡張や、マジックリアリズムへの親和性なども共存させた複雑性が込められている。
写真をそのような変成体として捉えている人を、僕は多和田有希以外に知らない。

また、彼女は写真家という存在からも逸脱しているように見える。なぜなら、徹頭徹尾、自らを「実験動物」として扱い深く掘り下げながらも、同時にウイルスのように過度なオープンネスを持って観客に憑依を挑もうとするからである。
それは魔術が霧散した時代における、再魔術化の実践である。

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