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ハラルド・ゼーマンとキュレーションの魔術についてその①/一日一微発見354

キュレーションとは何だろうか?
美術館は昔は博物館であり、「美術作品」すら「博物」の一つに過ぎなかった。フーコーの『言葉と物』が明らかにしたような意味での「分類」対象だった。
それが「作家の個人史」や「テーマ」によって構成されて提示されるように進化して今日にいたるようになる。
だが、それが「キュレーション」と呼ばれ、その「方法」や「思考」「戦略」がふり返られるようになったのは本当に最近のことだ。

スーパーキュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストが『キュレーション』や『キュレーションの方法』という本であきらかにしようとしたことは、極めて重要だ。
ヤン・フートやセス・シーゲローブ、ルーシー・リパード、そしてハラルド・ゼーマンらへのインタビューは壮観である。

1960年頃からのキュレーションのパイオニアたちの作業を整理し、光をあてることにより、初めてキュレーションの重要性を歴史的に明確にした重要な作業を行った。
そして、これからの時代は、「キュレーションをリプレイする」時代にすら突入しようとしていることも示している。

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