IN&OUT of TOKYO 02「共生と再配分をめぐって」/一日一微発見118
新型コロナをめぐって日々、さまざまな言説が飛び交っている。
けれど政治家たちの発言は、恐怖さえ感じるほど愚かしい。
今日、トランプは新型コロナの原因を中国だとする確証をつかんでいるとし、アメリカが最大の感染者国になっていることの、政治的責任をすり替えようとしていた。
真実があるとしても、もはや神ぞみがしるだろう?
もちろん秋の大統領選が控えているから、より図式的な敵味方や、善悪のストーリーを作り上げようとしているのだ。
新型コロナへの対処は、戦争ではない。
政治家たちは戦争という物語にすり替えようとし、我々を巻き込もうとしているのである。
さらなる愚かな時代への突入。
延期された東京オリンピックを、新型コロナへの勝利の祭りにしようと発言している日本の政治家もいる。
新型コロナというウイルスが、人間文明の過剰な展開の根本的な問題をついて出現している、つまり、人類全体の課題として考えなければならないこと、という視点はまるでない。
つい先日、アランナ・コリンの好著『あなたの体は9割が細菌』を読んだ。
彼女はロンドン在住の進化生物学者であり、サイエンスライターであるから、この本は、専門書でも思想書ではない。
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