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かこさとし先生の振り幅がすごかった。『からすのパンやさん』から宇宙有限論まで。

『からすのパンやさん』をご存じですか。

― からすのまちにあるパン屋に、4羽の赤ちゃんが生まれた。
からすの夫婦は子ども達の意見を参考にユニークな形のパンをたくさん作り、パン屋は大いに繁盛する ―

というストーリーの、かこさとし作・絵の絵本。1973年発行。偕成社の絵本シリーズ『かこさとし おはなしのほん』全10冊の第7巻として刊行され、累計240万部を記録。タイトル通りのほんわか系絵本。
子育て支援センターやキッズスペースなどで、よく見かける本のひとつです。

うちの息子が通っていた保育園にもありました。
毎週火曜日は保育園で「絵本貸し出し日」になっていて、
ある日、息子は『カラスのパンやさん』を借りて持ち帰ってきた。
それから程なくして、私は書店で、1冊の絵本に出逢った。
その本のタイトルは

『富士山大ばくはつ』

・・・なんだ?この、
静岡県民なら思わず心がザワつく タイトルは?
気になって著者名を見てみたら、
保育園から我が家にレンタル移籍している
『カラスのパンやさん』と同じ かこさとし だと?!
えっ、テイスト、全ッ然違うんですけど?!

『富士山大ばくはつ』はその名のとおり
活火山である富士山の成り立ちや
富士山での噴火の周期などを説明している、
地学の地学による地学のための絵本 であります。

「うちの子、もしかしたら、これ好きかもなー」
と思って試しに買って帰ったら、案の定、ドハマり
それ以来「かこさとし」さんは
私の中で、 最も気になる絵本作家 になった。

その1年後ぐらいに買った
『地下鉄のできるまで』も、かこさとしさん作。
こちらもすごかった。
なにがって、もう 絵本の域をゆうに超えてる
云うなれば、
大学の工学部土木専攻1年生の教科書 または
トンネル工事業者の新入社員研修テキスト
といったところか。
トンネルの掘り方には、
開削工法シールド工法等があるんですって。
息子の数倍生きてるけど、今知ったわ、そんなん。

そんなかこさとし先生は
東大工学部を御卒業で、工学博士であり技術士でもあるそう。
なるほど。どうりで。
わかりやすいし、内容めっちゃくわしいのは、
かこ先生御自身がその道の専門家だったから、なのですね。

幼少期にかこ先生の絵本に出逢い、
かこ先生の薫陶を受けた息子は今日も
「あっ、ママ、見てー
 このトンネルは開削工法で作られたみたいだね」
とか言いながら、私に開削工法の説明をしてくれています。

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