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夫婦は1枚の布を織りなす縦と横の糸でありたい

夫婦の環境って色々だ。子供がいるとかいないとか、共働きとか専業とか、同居とか核家族とか、単身赴任とか海外住まいとか、田舎暮らしとか都会暮らしとか。とにかく環境って色々だ。

でも、夫婦の最も根本的な部分、つまり2人の関係、愛、思いやり、リスペクトとかって環境によって変わっちゃうものなのだろうか。夫婦は関数で言うとX軸とY軸であるべきであって、P点だったらダメなんじゃないか。夫婦って縦の糸と横の糸なんじゃないのか(by中島みゆき)・・・

夫婦について考えていたらもう1日が終ろうとしている。今日は何もしていない・・・。

大好きな親友のハルちゃん

今朝、9時半から友達とカフェで待ち合わせをしていた。準備をしていたら珍しく母から電話がきた。

「あんたの同級生のハルちゃん、子供連れて出戻ってきて、今実家の近くのアパートに住んでるって。何か聞いてる?」

ハルちゃんとは長い付き合いで大親友だ。大きな家同士の結婚だったので界隈ではすごく有名で、結婚式は有名なホテルでとても豪華なものだった。私は彼女の友人を代表してスピーチをさせてもらった。大好きなハルちゃん。沢山の思い出が次々とこみ上げてきて、号泣しながらのグチャグチャなスピーチになってしまったことを思い出す。彼女の結婚がすごく嬉しかったし、心から幸せになってほしいと思った。

ハルちゃんは芯の強い子で、どんなことにも動じないたくましさを持っていた。それでいて元気で時にうるさくてでも優しくて、彼女の周りには自然と人が集まる。若い頃はヤンチャをしたこともあったけど、自分のことよりも率先して人のことを考える、純粋で心の優しい女性だ。人の痛みがわかる子。彼女に相談すると何でも解決するような安心感があった。

結婚してからは家業に勤しみ、可愛い子供3人を抱え幸せにしている様子がたまにSNSにあがっていた。いつ見ても彼女の笑顔は眩しい。ハルちゃんとは親友だったけど、お互い結婚してからはたまにSNSでやりとりをするくらいで、頻繁に連絡をとることはなくなっていた。

そんな中での母からの報告だ。急いで彼女のSNSをチェックすると、たしかに最後の更新からかなりの日数が経っている。連絡してみようかと思ったけど、人からの又聞きをよく思わないだろう。周りに隠したいのかもしれないし、色々考えてまだ連絡できずにいる。

夫婦仲が不安定になる背景にある義両親の存在

ベタな言葉だが、「ハルちゃんに限って」だ。彼女は何にでも耐えられるくらい強い女性だと思っていた。あんなに優しくて、常に人のことを考える女性はいない。私が人生で出会った女性の中で、間違いなく5本の指に入るくらいの素晴らしい女性だ。そんな彼女が子供を連れて家を出るなんてよっぽど何かがあったとしか考えられないし、彼女に何があったんだろうと思うと、彼女を取り巻く要因を徹底的に追求してコテンパンに懲らしめてやりたくなる(わかってる、私の出る幕ではない・・)。たとえ本人に非がなくとも、夫婦が不安定になる要因はたくさん存在する。

例えば義両親の存在とかって彼女にとってどうだったんだろう。ハルちゃんの嫁ぎ先は先祖代々の大きな家で、もちろん同居だ。古いしきたりを守ろうとする封建的な家庭で、里帰り出産もさせてもらえなかったという話を聞いたことがある。ハルちゃんは絶対に外に愚痴を言ったりする子ではないのでこちらも又聞きなのだが、義両親とはうまく行っていたのだろうか。

かく言う私も、日本では夫の両親と同居だ。しかし私の場合、これがまたうまく行っていたのだ。気を遣うのはしんどいが、所謂、嫁姑問題が起こったことは一度もないし、私は義父母が好きだったりする。話してて面白いし、可愛がってくれているのがわかる。私が夫と結婚する時は心から喜んでくれた。「こんな息子に嫁いできてくれてありがとう」って心から感謝してくれた。

しかし世間を見てみれば、たとえ同居していなくても義両親とうまく行っていない人が往々にしてあちこちにいる(多くは義両親の過干渉が原因か?)。ハルちゃんが家を出たと聞いて真っ先に頭に浮かんだのが同居している義両親の存在だった。想像の域を脱せないが、大いに考えられる。

ドラマ『This is us』から見る不破の原因:妻のキャリア

タイムリーなことに、ちょうど海外ドラマ『This is us』を観ていると、長年連れ添った夫婦の関係が少しずつ崩れていき、最後には罵倒し合うまでになってしまうシーンがあった。高校生の三つ子(うち一人は養子)を育てる妻が、結婚と同時にあきらめた歌手としてのキャリアを求めて外に出始めてから、夫婦の関係は少しずつ悪化していった。

彼女が妻や母親としての役割を捨てたわけではない。家のことも子育てもしっかりやった上でのことだったし、夫のことも変わらず愛していた。夫婦の関係もしっかりあった。しかし、羽ばたいていく妻を横目に夫は酒に溺れ、最後は収集のつかない罵り合いとなってしまう。しかも、仕事が忙しくなってきた妻は夫を愛しつつも、夫が酒に溺れていることに気づかない。

背景には、妻のバンド仲間の中に彼女の元彼がいた、ということもあったかもしれないし、時代背景はまだ男女平等が大きく言われ始める前の設定だ。しかし、女性の世界進出が大々的に謳われる最近になっても、妻の飛躍を黙って見ていられない夫が存在することも確かだ。女性は女性らしく家庭に入り、夫を支え、子供を育てる。義父母につくす。こんな古い封建的な考え方、現代には全く合っていないが、このように考える特殊な人種が私の周りにはけっこう存在している。

夢を追いかけるあまり子供を捨てた友人も

女性のキャリアと少し話はかぶるが、ハルちゃんとは違う私の友人(女)が、自分の夢を追い求めるべく、まだ幼稚園〜低学年の3人の子供を捨てて離婚した。絵や歌が得意な彼女。マルチアーティストになりたいそうで、既に界隈ではかなり活躍しているらしい。残された子供たちは一時期は夫の実家に預けられ祖父母に育てられていたが、今は夫も実家に戻り、母親なしで暮らしている。

夢を追い求めることが悪いことだとは言わない。しかし、妻が夢を追うためには家族を捨てなければならないんだっけ。いや、そんなことはないし、夢か家庭かどちらかを選ばなければいけないような環境じゃダメだと思う。彼女は外と家庭との両立が全くできない子だった。外に出たら家のことは省みなくなり、家庭に入ると育児ノイローゼになった。家族でもっと協力し合うべきだったのだろうが、夢を追い求める彼女は家を出た。その決心は堅く、家庭は崩壊した。絶対に良い出口はあったはずだ。絶対に・・・。

環境が夫婦を良い方向に変えるように

夫が海外駐在になってから関係が悪化し、帰国後すぐに離婚した夫婦もいる。妻が働き出してからギクシャクし始めたり、子供ができてからうまくいかなくなり始めることもある。今、『夫を捨てたい』という漫画を読んでいるが、家庭を顧みず、家事・子育ての一切に全く協力しない夫に愛情を失ってしまうこともある。逆に、義両親との同居を解消すると夫婦仲が深まったという例もある。やっぱり、環境ってよくも悪くも夫婦関係に影響を与えるもんなんだと思う。

ハルちゃん。彼女のことを心配するあまりこのnoteを書き始めたけど、話がいろいろと飛躍してしまった。環境が夫婦を不安定にしないためにはどうしたら良いのだろう。夫婦が縦の糸と横の糸であり続けるためにはどうしたら良いのだろう。

ベタな答えだけど、1番大事なのは腹を割ってのコミュニケーション、そして定期的なスキンシップだと私は思ってる。かく言う私たち夫婦も、環境に関係を変えられたカップルの1つだ。結婚3年目で夫が海外赴任になってから、今までで1番仲の良い日々を過ごしているし、夫のことが以前にも増してどんどん好きになっている。良い意味で環境が私たちを変えた。何がそうさせているんだろうと考えた時に浮かぶのが、コミュニケーションの増加だ。日本では同居でお互い共働き、多忙すぎて今ほどゆっくりと2人きりで過ごす時間がなかった。夕食時間に私は間に合っていなかったし、寝る時間も出社時間も違ったから。

そんな環境がガラッと変わった今、夫は異国の地で専業主婦になった私のしんどさを理解してくれるのでよく話を聞いてくれるし、よく抱きしめてくれる。夫も以前はほとんど話してくれなかった職場の話をよくしてくれるし、2人で面と向かって話しながら笑い合う時間が確実に増えた。この国に来てお互いに尖っていたものにヤスリをかけられたような、そんな感覚だ。コミュニケーションって本当に大事。意識してでも増やしていきたいし、夫婦で1つの布を織りなすには絶対に必要なことだ。

ハルちゃん。1人で3人の子供を抱えながら孤独と戦っているんだと思うと泣きそうになる。でも、笑顔が眩しくて優しいあなただから、絶対にまた幸せになれる時が来ると思う。

なぜ生きていくのかを迷った日の跡のささくれ
夢追いかけて走ってころんだ日の跡のささくれ
こんな糸が何になるの 心許なくて震えてた風の中
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布はいつか誰かの傷を庇うかもしれない

Ichiko

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